新型クラウンは7月登場か!? FF化で賛否両論!! かつての憧れのクルマ「クラウン」はFRたるべきなのか!!?

■電動化も視野に入れた現実解か!? FF化で生まれるメリット

 ではFFはどうだろうか?

 まずメリット(利点)だ。エンジンとトランスミッションをフロントセクションに納めることができ、なおかつ横置きに並列できるのでエンジンルームを縦方向に短くできる。このためキャビンの縦方向にスペースを広げられる。プロペラシャフトが必要なくなるのでフロアをフラットに設計できる(一部の四駆を除く)。

 またエンジンと並列のトランスミッションにデフを組み込み、そこからドライブシャフトを前輪に繋げるので、エンジン出力軸(クランクシャフト)と平行軸にドライブシャフトを出すことができ駆動伝達ロスが小さい。つまり燃費がいい。

 エンジンと駆動するタイヤが近いのでアクセルワークに対するダイレクト感も高い。雪道など滑りやすい路面ではエンジンなど重量物がフロントにあるので、フロントタイヤのトラクションが大きく、上り坂などで空転しにくい。

フルモデルチェンジする新型クラウンは、FF化され、ボディサイズは全長4900×全幅1860×全高1450mm前後となりそうだ(画像はベストカー編集部による予想CG)
フルモデルチェンジする新型クラウンは、FF化され、ボディサイズは全長4900×全幅1860×全高1450mm前後となりそうだ(画像はベストカー編集部による予想CG)

 ではデメリット。駆動と操舵の両方を前輪が受け持つので前輪の負担が大きく、アンダーステアーを誘発しやすい。フロントタイヤの摩耗が早い。前輪にドライブシャフトが繋がるので操舵切れ角を大きくできないから最小回転半径が大きい。

 ほとんどのコンポーネンツがフロントに集中するので、前後荷重配分でフロントヘビーとなりリヤブレーキの仕事量が減りフロントブレーキの負担が増す。またハンドリングにも悪影響を及ぼす。

 実はFF化のメリットの中でプロペラシャフトを持たないからフロアをフラットにできる、ということがこれからのクルマに大きなメリットをもたらすのだ。

 それは、これからのクルマが背負う電動化というテーマ。重いバッテリーを床下に敷き詰めるとき、フロア下がフラットであればあるほど大きなバッテリーを効率的に収めることができる。このことを念頭に開発する時、FF化は避けられないアーキテクチャーなのだ。

■車幅は1800mm超え確実! FF化されたクラウンどうなるのか!?

 またクラウンは四駆をメインにし、SUVモデルもラインナップする予定だという。四駆についてはRAV4 PHVでも行ったようにリアモーターを採用すればフロアはフラットだ。

 問題はどれくらいのパワーのモーターを採用するかだろう。アウトランダーPHEVのように、前後同じパワーのモーターを採用していればハンドリング面では相当興味深いクルマに仕上がるに違いない。ただすぐに電動化は起こらずハイブリッドがメインになるだろうからこれは夢物語になるだろう。小さめのリアモーターを配備するE-Fourになると考えられる。

 もうひとつ、SUVは床下車高が高くプラットフォームを共用するのであればSUVにも適したプラットフォームとなる。

 そうなるとTNGAのFF用GA-Kを採用すると見るのが無難。GA-Kを採用すれば、さまざまなボディ形状に対応可能で、効率よくニューモデルをリリースできるメリットはあるが、果たしてそれでクラウンという国内王様のヒエラルキーを維持できるのだろうか?

 また国内専用モデルとして車幅1800mmの枠を超えるだろう。これは既存ユーザーの買い替え需要に影響するに違いない。かねてからクラウンは既存ユーザーよりも新規ユーザーの獲得に熱心だが、EVも本気! と豊田社長が言うように、新規ユーザー獲得にバリエーションが多彩になっている。その意味でクラウンの既存ユーザー買い替え需要は見逃せない。

 個人的にはやはり継続開発されるFRクラウンの優雅な走りに期待したい。なぜなら現行クラウンがバックミラーに映ったとき、思わず道を譲ってしまうほどクラウンユーザーには走り屋が多いから。走り屋はやはりFRが好きなのだ。

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