販売だけじゃない! さまざまな提案にも使われるテレビCM
単純なクルマ本体の販売だけではなく、施策や仕組み、サービス内容などをCMで訴えかけ、慣れ親しんでもらう動きも多い。
現在では当たり前のように使われている「残価設定ローン」は、トヨタのCMが普及に大きな影響を与えた。当時、話題となっていた、こども店長(加藤清史郎さん)や、嵐の櫻井翔さんを起用し、「トヨタ3年分ください」というワードで、新しい買い方を提案している。
このCMの知名度は高く、筆者が商談中や、既存のユーザーへ買い方の提案をする際に、「トヨタ3年分くださいっていうCM見たことありますか」という文句を、残価設定ローンの説明の入り口として使用していたことがあるが、ほとんどの人が「あるよ、知ってるよ」と答えてくれた。
さらに、爆笑問題の2人を起用したクルマ買取のT-UPのCMも、直接のクルマ販売には繋がらないが、トヨタでできることの一つとして「買取」を印象付けるものだっただろう。
今、見ることができる印象的なクルマのCM
現在、クルマのCMは「先進性」や「未来感」を強く打ち出したものが多くなっている。時代を映す鏡として、その時々に制作されるCMを比べていくのは非常に興味深い。こうしたなかで、少々奇をてらった内容のCMが、多くの人の心に刻まれる。
「違和感」という新しい切り口で、ユーザーの印象に残るのが、ダイハツ・ムーヴキャンパスのCMだ。
据え置きカメラで撮影され、映像にはカット割りなどの動きが全くない。BGMには「君は天然色」が流れ、肝心のムーヴキャンパスが走り出すこともないのだ。小さく映るムーヴキャンパスに人が近づき、スライドドアが開閉するだけという、とてもシンプルな内容である。
説明もキャッチコピーもないこのCMは、見ている側に大きな違和感与え、結果としてムーヴキャンパスの知名度を高めている。
クルマを販売する営業マンからすると、どのようなCMを流すのかというのは、とても気になるところだ。単純にカッコいい、スタイリッシュというよりも、どこかツッコミどころのあるCMの方が、お客様との話題にしやすいし、クルマの売れ行きも良いと思う。
広告の力でクルマのイメージが決まってしまう。それだけに、CMの影響力は非常に大きい。今後も後世に語り継がれるようなクルマのCMが生まれるのか、各メーカーの広報の方々に、期待したいところだ。
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