今のうちに乗っておきたいオススメMT車
●ホンダS2000
ホンダS2000は、本田技研の創立50周年を記念して企画され、1999年4月に発売された。60年代に高性能を誇ったホンダSシリーズのスピリットを受け継ぐオープン2シーターのスポーツカーで、電動ソフトトップを採用している。
心臓は、高回転を得意とする2Lの直列4気筒DOHC・VTECだ。これに6速MTを組み合わせた。後期型は2.2Lエンジンにスケールアップされ、少しマイルドなエンジン特性になっている。
前期型が搭載する2LのF20C型DOHC・VTECエンジンはレーシングエンジンのように9000回転まで軽やかに回るから、クロスレシオの6速MTを駆使しての走りが楽しい。高回転まで回すとパワーの盛り上がりととともにエンジン音が変わる。
6速MTはFF車を得意とするホンダとしては出色の出来栄えだ。クラッチの重さ、ストローク、変速比などが適切で、絶妙なバランス感覚にウットリさせられる。
シフトストロークは36㎜と驚くほど短いから手首の返しだけでクイックな変速を楽しむことができた。軽やかなハンドリングと相まってワインディングロードを走るのが楽しい。意識して頻繁に変速操作を繰り返してしまう。
●S15系シルビア
ターボ車のMTで、乗ったときにフィーリングが合ったのがシルビアの最終形として99年に登場したS15系だ。S13型シルビアから5速MTに慣れ親しんできたが、S15型ではフラッグシップのスペックRに6速MTを初めて採用している。
エンジンは250ps/28.0kg-mまでパワーアップした排気量1998ccのSR20DET型直列4気筒DOHCターボを積んでいた。アイシン製の6速MTはターボパワーに負けないように強化されているが、思いのほか軽いタッチだ。
基本的にはアルテッツァに搭載されているものと同じ6速MTだが、シルビアの方がバランス感覚に秀で、ドライバーとの一体感が強い。強化を担当した開発陣の頑張りが分かり、味わいが深くなっている。
小気味よく変速が決まり、変速のストレスを感じない。6気筒ターボを積むスカイラインGT-Rの6速MTほどの剛性感や質感は望めないが、誰が乗っても扱いやすく感じるMTだ。変速フィールやクラッチ踏力もちょうどいい感じで、持て余さないのがいい。
●マツダロードスター
現行モデルで秀逸な変速フィールを実現しているのは、2015年6月に登場した第4世代のND型ロードスターだ。ダウンサイジングと軽量化に挑み、エンジンはスカイアクティブテクノロジーを採用した1496ccのP5-VP型直列4気筒直噴DOHCを搭載する。
パワフルとは言い難いが、6速MTを駆使しての走りが楽しい。2Lエンジンに電動メタルトップの「RF」もある。が、1.5Lエンジンの非力さをクロスレシオの6速MTを駆使して走る楽しさは格別だ。
ロードスターはショートストロークの6速MTを採用し、クラッチの重さやストロークも適切である。ダブルクラッチを使ってシフトダウンする楽しさも格別だ。また、毎年のように改良を続け、エンジンやサスペンションなども改良している。だからキャッチフレーズの「人馬一体」を存分に味わえ、運転することが楽しいのである。
横置きエンジンのFFスポーツでは、バランス感覚は今一歩だが、スイフトスポーツとシビックのタイプRの6速MTの変速フィールが好きだ。とくにタイプRは変速制御が絶妙で面白いように変速を決められる。
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