■白いカロツーと激レアの青いカロツー。2台を乗り継いだAKさんの場合
青いカロツーとは、「Neutral Service」(ニュートラル・サービス)として使われた車両だ。「ニュートラル」の名称通り、特定の国やチームを対象にしたサポートではなくレース中に発生する選手の機材トラブルなどに対応する。
青いボディカラーは「シマノブルー」と呼ばれる色でルーフキャリアにはSHIMANOのロゴが入った代替機材の自転車が積まれている。ツール・ド・フランスを含む著名な自転車レース400以上をサポートするシマノ仕様のカロツーは東京2020でもニュートラル・サービスカーとして大活躍していたのだ。
しかしこの青いカロツーは非常に限られた台数で、また他のオリパラ仕様車とは違って一般には流通していなかった。オーナーのAKさんは先にMさんと同じ白いカロツーを購入し、その後、縁あって青いカロツーを入手して白から乗り換えている。
なお、そもそも最初の白いカロツーの存在を知ったのは、ベストカーwebの記事だったとのこと。記事を書いた筆者としては感動の極みである。
「ベストカーwebさんの記事を読まなければこのクルマを買うことはなかったでしょう。そして、それまではクルマにはあまり興味がなく、こだわって選ぶこともありませんでしたがこのクルマを知ってからはクルマへの思いが一変しました」。
白と青のカロツー、違いはどんなところだろうか?
「白と青の違いは外観以外にほとんどありませんが、白の方はナビの下にタブレットをビス止めで固定していた痕がありましたが、青は何もなかったですね。あと、白は目隠しシールが貼られていましたが、青の保証登録書には”前オーナー”の名称及び、保証書の発行元として”トヨタモビリティ東京(株)法人(オリパラ)”と記載されていました。これが外観以外にオリパラで使われていたことを証明する唯一の証明ですね」。
では実際にAさんの青いカロツーはオリンピックでどんな風に使用されていたのだろうか?
「自転車ロードレースのニュートラルカーと聞いたのですが、どうもこちらは『予備車』だったようですね。競技の動画を見ていても、ナンバープレートの下2桁が、86、87、88、89までは出てくるのですが、私が購入した90は見つけることができませんでした。
購入時の走行距離は1090kmでした。恐らくニュートラルカーとして使われていたら距離はもっと伸びていたでしょう」
オリパラ仕様のカロツーを買うまではクルマへの思い入れはそれほど強くなく「家族で乗れて広ければいい」程度だったというが、それが激レアのカロツーに出会ってからイッキに変わった。
そんなAKさん。目下の悩みはやはり「ラッピング」のことだ。
「購入したユーゼックでは『もって1年』と言われました。1年以上経つと剥がしても痕が残る可能性が高いと。なので、痕を残したくなければ購入後の1年点検の時に剥がしましょうと言われているのです。
でも、私としては極力長く、このままラッピングを護って乗っていきたいのです……」
悩むAKさんに筆者がアドバイスさせていただいた。
「ラッピングの上から透明の保護シートを貼るか、または綺麗なうちに同じラッピングシールを業者さんに2、3セット作っておいてもらうという方法もありますよ」と。「そうですか! そんな方法があるんですね!」と、Aさんの顔がパッと明るくなった。
パンデミックとの闘い、オリンピック史上初の開催延期など、歴史に残る大会となった東京2020。大会運営車両のなかでも、とくに激レアな青いカロツーをぜひ末永く美しいラッピングのまま乗り続けてほしい。
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