■都内で白いカロツーを目撃! その後、大黒PAでも遭遇
今でも筆者は築地市場跡近辺を通るたびにオリパラ仕様車を思い出す。昨年秋頃、中古車市場に出ていく大量のオリパラ仕様車が並べられていたからだ。新しいオーナーのもとで幸せに暮らしているだろうか?
そんなことを考えていた5月のある日、都内港区芝浦近辺でオリパラ仕様のカローラツーリング(1.6ハイブリッド)に遭遇した。パーキングメーターに停めたカロツーから出てきたのは、スーツ姿の会社員風の男性だった。
降りてすぐ横断歩道を渡って行ってしまったので話しかけることはできなかったが、クルマの雰囲気からして、「会社で営業車として使っている」雰囲気だった。オリンピックに関わる企業だったのだろうか? それまでSNSに目撃情報が上がっていたのは見ていたが、この目で見たのは初めてだったので感動した。
さらに1ヵ月経った6月のある夜のこと。都内での仕事帰りに立ち寄った大黒PAでなんと! またしても白いボディに赤い幾何学模様(トヨタ自動車のデザイナーによるもので、ゴールテープをイメージしたデザイン)のカロツーに遭遇したのである。
芝浦で見かけたカロツーが1.8Lであったのに対してこちらは2.0リミテッドだ。
しばらく待っていたら飲み物のカップを持ったオーナーが戻って来た! 勇気を出して、窓越しに会釈して声を掛けてみたところ、快く話を聞かせてもらえることになった。
オーナーは都内に住むMさん。いつ、どこで購入し、なぜラッピングを剥がさずこのまま乗っているのか、聞いてみた。
「オリンピックで活躍している姿を見てカローラツーリングが欲しくなりました。でも、その時は普通のカロツーを買うつもりだったんですよ。マニュアルか、もしくはハイブリッドか……。いろいろ考えていたところ、SNSでオリパラ仕様のカロツーが中古車として販売されていることを知ったのです。
これは買うしかない! 欲しい! と思ってユーゼック入間(トヨタ自動車直系の中古車販売店)に見に行きました。その時は1.8Lだけが出ていました。営業の方に2.0が入ってきたら連絡をくださいとお願いして待つことにしました。中古車が出始めたあの頃、欲しいと狙っていた人は即決で買うような人ばかりだったと思います」。
それから待つこと約1ヵ月半、ユーゼック入間から2.0リミテッドが入荷したという連絡を受け購入。Mさんにとって初めてのクルマ購入となった。
「こういったことがなければおそらく最初の1台はまだ先のことになっていたと思います。モチベーションを高めてくれて、購入の縁も結ぶことができた、そこに感謝したいですね。気持ちの変化、というほどではないですが、クルマを壊さないようにということで自分の運転だけでなく周囲の状況にもより気をつけるようになった(端的に言えば安全運転を気をつけるようになった)と思います」。
ちなみにMさんのカロツーは2021年7月24日に実施された自転車ロードレース競技(男子)で使用された1台とのこと。11月半ばにMさんのところに納車され半年経過した現在もラッピングは剥がさず乗っている。
「営業の方は当時、ラッピングを剥がして乗る人とそのまま乗る人がだいたい半々と言っていました。ユーゼックでは剥がす費用は2万円できれいに剥がします、とも言われました。私自身は……、そうですね。痕が残ることを考えると、早めに剥がした方がいいのかもしれません。でも、せっかくの歴史的な大会の記念となるラッピングですから、剥がすのは惜しい気がします」。
たしかにここまで来たら可能な限りそのままで乗るという選択肢もアリかもしれない。そして、Mさんにさらにレアなカロツーに乗るオーナーを紹介していただいた。もちろんラッピングはそのまま。「可能な限り貼ったまま乗る」と心に決めたAKさんだ。
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