高騰する国産中古車のプライスタグを眺めていて、「新車の頃に買って、いま乗っていたら」と思ったことが一度はあるのではないだろうか。
現在は車種統合や、騒音規制や排ガス規制の強化による影響でモデル廃止の危機に瀕しているクルマも多くある。また、将来的に希少な存在になり得るモデルもあると思われる。
いま売っている国産車のなかで、将来値上がりするものがあるのではないだろうか!? 今回は、中古車市場に詳しい萩原文博氏に、値上がり必至の国産現行車を紹介してもらう。
文/萩原文博
写真/SUZUKI、TOYOTA、NISSAN、LEXUS
■すでにGT-Rは値上がり傾向! 現在の中古車市場の事情を見る
2022年3月、中古車のオートオークション運営会社で最大手のUSSでの2月の成約車両単価、すなわち1台あたりの平均落札価格が100万6000円を記録。集計を始めた1999年4月以降初めて100万円を突破し、中古車相場が高騰とニュースとなった。
そして翌月、3月の平均落札価格が91万1000円と下落すると、さまざまなメディアは、ロシアのウクライナ侵攻によって輸出がストップしたことが影響していると報じた。
その後ロシアのウクライナ侵攻は続いているが、中古車相場に目立った動きはない。以前、この値落ちとロシアへの輸出が止まったことは関係ない。とベストカーWebで書かせてもらったが、そのとおりの結果となっている。
中古車相場が値上がりする要因はいくつかある。
トヨタ AE86のカローラレビン/スプリンタートレノのように、フルモデルチェンジによって駆動方式が変わってしまうケース。日産 R34型スカイラインのように後継車がまったく違うモデルになってしまうケース。そして、マツダ RX-7のように後継モデルがないケースなどだ。
一見すると、値上がりするのはスポーツカーばかりと思うかもしれないが、スバル サンバーのようにスバルが生産していたRR駆動車の世代の中古車が値上がりするなんてケースもあるのだ。
今回は、現在新車が販売している国産車の現行モデルの中から今後中古車相場が値上がりしそうな4モデルをピックアップした。
ちなみに4モデルとは別に、もうすでに値上がりしている車種がある。ホームページ上ですでに2022年モデルの販売が終了したとアナウンスしている日産GT-Rだ。現在、GT-Rの中古車は約144台流通していて、平均価格は約1479万円。中古車の価格帯は約715万~約2756万円となっている。
2022年2月当時のGT-Rの中古車の流通台数は約117台で、平均価格は約995.1万円と1000万円以下だった。中古車の価格帯も約560万~約2689万円と500万円台の中古車も流通していた。
4カ月の間にGT-Rの中古車の平均価格は約484万円も値上がりしてしまった。これは新車のGT-Rが手に入らなくなったこととリンクしているのは明らかだ。それでは、これからは値上がり必至の4モデルを紹介しよう。
■15年ぶりに復活した火の玉ボーイ『スズキ アルトワークス』
標準モデルが2021年12月にフルモデルチェンジしたスズキ アルトのスポーティモデルのアルトワークスだ。
2015年12月、約15年振りに復活したスズキアルトワークスは、「クルマを操る楽しさを追求し、さらに走りを磨き上げた軽ホットハッチ」を目指して、戦闘力をアップしたモデル。
最高出力64psを発生する660ccの直列3気筒DOHCターボエンジンは最大トルクをベース車の10.0kgmから10.2kgmへと高めたエンジン。また、組み合わされるトランスミッションは5速MTと5速AGSの2種類を用意。
5速MTは1速から4速までクロスレシオ化、さらに、ショートストロークシフトとシフトノブの最適設計により軽快なシフト操作を味わえる。サスペンションには、専用の味付けを施したショックアブソーバーを採用し、より高い操縦安定性、接地感そして応答性を実現している。
現在、現行型のアルトワークスの中古車は約252台流通していて、価格帯は約67万~約240万円とすでに新車時価格を超えるプレミアム価格の中古車が出回っている。
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