■アンテナが増えても呼び方はプロパイロット2.0のワケ
もうひとつアリアで疑問なのは、スカイラインのプロパイロット2.0では「みちびき」は利用していないが、アリアは同じ2.0でも「みちびき」を利用するなど進化している印象だ。社内もしくは対外的にも、両者に呼称の違いはなくプロパイロット2.0なのだろうか?
「はい、おっしゃるとおり進化しておりますが、呼称は同じ「プロパイロット2.0」です」(大埜氏)
レベル2のハンズフリーという機能は変わらないため、呼称は変えていないようだ。個人的には2.1にしてもいいのでは、と思うが販売の現場が混乱する恐れもあるので、2.0のままにしているのだろう。
ちなみに「みちびき」は準天頂衛星と呼ばれる種類の、GNSSのなかでもちょっと特殊な軌道をもつシステムで、特定のエリアの上空に留まることで、電波障害を抑え精度の高い測位も実現するもの。
クルマのように移動する乗り物では限界があるが50cm位までは現在精度として追求できるほか、システムとしてはセンチメートル単位での測位を可能にしている。
厳密に言えばグローバルではないが測位衛星を用いた衛星測位システムであり、より精度が追求できるものなのでGPS(米国による全球測位衛星システム)を補完して精度を高めるためにも利用されるのだ。
「みちびき」は地球の上空を周回しているが、地上から見ると日本とオーストラリアの上を8の字を描くように周回(現在は4機のうち1機は赤道上の静止衛星)している。
しかも日本の上空の滞在時間(およそ8時間)が長くなるように日本のほうが短い軌道(その分ゆっくり移動するようになる)を描くようになっているのだ。
GNSSを利用しているのはクルマだけではなく、スマホなどで位置情報を利用するだけでなく、地形の変化なども計測することで地震予知などにも用いられている。「みちびき」の本格運用が始まったのは、2018年11月とまだ最近のこと。これから対応機器の普及により色々なサービスの充実も期待できる。
もちろんクルマの自動運転システムも、自車位置の検出精度が高まることにより、高精度な三次元地図とカメラやレーダー&レーザーセンサーによる障害物認知と合わせて、レベル3以上のシステムが安定して動作することが可能になったのだ。
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