エコカー補助金といえばハイブリッド車にPHV、EVにFCV(燃料電池自動車)、そしてなにかと逆風のクリーンディーゼル車が該当するのだが、これらはすべてクルマの話。
今回は電動バイクの補助金についてお届けしよう。
※本稿は2018年7月のものに適宜修正を加えたものです
文・写真:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2018年8月10日号
■国と都が力を入れる電動バイクの補助金制度
まず、国からは正式に経済産業省が「クリーンエネルギー自動車導入事業費補助金」(CEV補助金)として実施しており、2018年2月〜2019年2月22日までの間に初度登録した電動バイク(申請受付は2019年3月4日まで)に対し、ユーザーへ補助金が支払われる。
続いて、全国の自治体のなかでも電動バイクの普及促進を強く進めている東京都。
2018年3月、小池百合子都知事は「東京モーターサイクルショー」に登場し、EVやFCVの電動バイクを「ゼロエミッション・バイク」(ゼロエミ・バイク)として強くアピール。今後の利用と普及促進を呼びかけていた。
こうした状況を受けて東京都では、今年度からの新規事業としてこの7月中にも電動バイク購入補助の申請受付を始めることになっている(7月31日より開始。期間は2018年度から2022年度までの5年間となっている)。
前述の、先行して実施されている経産省の補助金制度と合わせて、ガソリンバイクとの差額について、国が4分の1、残りの4分の3を東京都が負担する予定だ(補助限度額は18万円)。過去、2012年度に行われた静岡県や同県浜松市、神奈川県平塚市での電動バイク補助金制度を上回る大規模なものになる。
東京都では電動バイクでもガソリンバイクなみの価格で購入できることを謳っている。ただし、対象となるのは運送業や小売業などの「事業者」で、個人ユーザーは今回対象外だ。
このほか、今年6月からは東京23区内初となる電動バイクへの補助を足立区が始めている。こちらは法人、個人ともに対象となり、補助金額は1台あたり2万円で、2019年2月28日までの受付。
ちなみに国のCEV補助金は期限が1年間の予定となっているが、東京都が5年と銘打っている以上、期間が延長される可能性は高そうだ。
現在、国内市場に出ている電動バイクはヤマハの「E-Vino」にスズキの「e-Let’s」&「e-Let’s W」、それに光岡のサイドカー付き3輪EV「Like-T3」の3社4モデルのみとなっている。ただし、スズキのe-Let’sとe-Let’s Wはすでに生産を終了しており、現在は在庫販売のみ。またLike-T3は「側車付軽2輪貨物」なので法的には自動車に分類される。今回紹介している東京都の補助金の対象にはならない。
CEV補助金はE-Vinoが2万6000円、e-Let’sが4万1000円、e-Let’s Wが6万円、Like-T3が6万円。
たとえばE-Vinoの車両本体価格は23万6520円で、ガソリン車のVino(18万5000円)との価格差は5万1520円。単純計算でここからCEV補助金の2万6000円を引くと、東京都の補助金は2万5520円となる。
ちなみに前述のモデル以外、バイクメーカーではカワサキを除いて電動バイクの実証実験を進めているが、まだ市場には出ていない。
昨年の東京モーターショーでホンダがハイブリッドとEVの両方を設定した「PCXハイブリッド」と「PCXエレクトリック」を出展したが、発売は今年秋以降か。125ccクラスの電動バイクはこれが初めてとなりそうだ。
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