普段AT車(CVT車含む)に乗っていると、ついうっかりとやってはいけない操作をしていることがある。このNG操作はクルマの寿命を短くなってしまうことにつながるので即やめたほうがいい。ここではAT車にまつわる5つのNG行為について解説していこう。
文:ベストカーWeb編集部/写真:ベストカーWeb編集部、アイシン・エィ・ダブリュ、Adobe Stock(トビラ写真:Adobe Stock@あんみつ姫)
間違い1:信号待ちでDレンジからNレンジにシフトチェンジ
最近ではあまり見かけなくなったが、かつてセダン型のタクシーに乗った時に、信号待ちでドライバーがNレンジにしているのを見たことがある。それは、車両停止時にシフトレバーをNまたはPにするとエンジンが自動停止するアイドリングストップ機構を働かせるためで、燃費向上にも役立つ。タクシー専用車のクラウンセダン、クラウンコンフォート、コンフォートのAT車に標準装備されているという。
ベテランドライバーの間では、Dレンジで停車時、アイドリング時のブルブル感(振動)を嫌い、Nレンジにしてサイドブレーキ(パーキングブレーキ)にすることで、ブレーキペダルを踏む疲れから解放されたいという思いがある。
最近のクルマでは、こうした煩わしさから解放するためにオートブレーキホールド機能がある。オートブレーキホールドスイッチをONにしておくと、ブレーキを踏んで停車したときにブレーキペダルから足を離しても停車状態を維持することができる。信号待ちや長い渋滞時、駐車券を取るときなどにブレーキペダルを踏み続ける必要がなく、アクセルペダルを踏むことでブレーキを自動解除できる。
むしろNレンジに入れたことで危険を誘発することもある。信号待ちでNレンジに入れていたのを忘れてアクセルを踏むと、エンジン回転が上がって音がうるさくなっている状態に気づいて、焦ってDレンジに入れてしまうと急発進につながってしまう。
ちなみに免許更新時に渡される交通教則本を見ると、「交差点などで停止したとき→停止中は、必ずブレーキペダルをしっかり踏んでおき、念のためハンドブレーキも掛けておきましよう。停止時間が長くなりそうなときは、チェンジレバーをNに入れておきましよう。 ブレーキペダルをしっかり踏んでおかないと、アクセルペダルを踏まなくても自動車がゆっくり動き出し(クリープ現象)、追突などの思わぬ事故を起こすことがありますので注意しましよう」と書いてある。
その一方でJAFのX(ツィッター)では「ATミッションのクルマで、交差点で停車するたびニュートラルにする人を見かけますネ。万が一エンジン回転が高い状態でドライブにシフトしてしまうと大変危険。大事故にもなりかねません。エンジンが動いている状態では燃費にほとんど差がありませんヨ」とツィートされていた。
JAFは、Nレンジにすると万が一エンジン回転数が高い状態でDレンジに入れると急加速する可能性もあるのでDレンジのままが正解。ただし交通教則本のサイドブレーキまで踏むというのはちょっと……。
結論は、近年のクルマならわざわざNレンジにする必要はない。信号待ちの際はDレンジのままが基本。「信号停車時Dレンジに入れっぱなし」は設計時に想定されている使い方だからで、「ニュートラルアイドル制御」などは手動によるN→D操作より負荷の変動をさせることなくスムーズに発進できる制御もなされているからだ。
Nレンジは主にレッカー車によるけん引時やなんらかのトラブルでクルマが暴走してしまった状況に使うものと認識しよう。
なお、2ペダルMTにおけるオートモード時、短時間の信号待ちなら、やはりDレンジのままで問題ない。が、擬似的にクリープを再現しているタイプはブレーキを離すと半クラッチ状態となるため、傾斜地などでアクセルペダルの調節で停止するのは御法度だ。
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コメント
コメントの使い方「エンジンブレーキ?何それ美味しいの?」
とつぶやいている人は今すぐ免許を返納しましょう。
自分は信号待ちの時にニュートラルにしますが、それは後突など事故を受けて衝撃でアクセル踏んだり意識を失っても自車を暴走させない為です。
安全を優先するかAT保護を優先するかは個人の自由ですが、どっちを優先すべきかは議論するまでもない。
意識無くなった場合下り坂でニュートラルだと負荷なしで転がり続けるやん