2022年7月現在、クルマの販売は未曾有の異常事態に見舞われており、販売台数は人気を正確に反映したものとはなっていない、というのが正直なところだ。
そうした状況は百も承知ながら、あえて販売台数をもとに今年前半の販売動向を自動車評論家 渡辺陽一郎氏が総括、今後を展望する!
●カテゴリーラインナップ
・SUV編
・BEV編
・スポーツ&GT編
・軽自動車編
・ハイブリッド車
・全車販売ランキング
※本稿は2022年6月のものです
文/渡辺陽一郎、ベストカー編集部、写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2022年7月10日号
■SUV編
公表される販売台数は、小型/普通車は登録、軽自動車は届け出に基づく。したがって部品の供給が不足して生産が滞り、登録や届け出が遅れると販売台数も減る。
販売ランキングは、基本的には各車種の人気を反映するが、今は納期も大きな影響を与える。
SUVの1位はライズ(トヨタ)だ。
納期は約3カ月で推移しており、ヤリスクロスやカローラクロスの5カ月に比べて短い。商品力も優れ、SUVでは貴重な5ナンバー車だ。
混雑した街中でも運転しやすく、フロントマスクは、RAV4にも似て野性味が強い。
2021年11月に加えたハイブリッドは、ノーマルエンジンとの価格差がZ同士で比べると約29万円に収まる。この効果で2022年1月と2月の登録台数は、前年の1.2倍に増えた。
2位はヤリスクロス(トヨタ)だ。鋭角的な外観には都会的な雰囲気が感じられる。ハイブリッドX(2WD)のWLTCモード燃費は30.8km/Lで、SUVでは最も優れる。
3位のカローラクロス(トヨタ)は、全長が4500mm以下のSUVでは荷室長が最長。
ヴェゼル(ホンダ)は居住性が優れ、内装も上質だが、納期が長く4位だ。
以上のようにコンパクトSUVは、カッコよさと実用性を両立させつつ価格は割安だから人気を得た。SUVは海外でも好調で投資対効果が高く、今後も攻勢が続く。
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