■2023年クラウンセダンが発進する
若返りを図った15代目クラウンだったが、それでもユーザーの中核を担う年齢は、中高年層のままだった。ボディサイズは全長4910mm×全幅1800mm×全高1455mm、6ライトキャビンのスタイリッシュなデザインは、まさにクラウンである。
さて、2023年に登場を予定しているクラウンセダンはどのように進化しているのだろうか。
ボディサイズは全長5030mm×全幅1890mm×全高1470mm、ホイールベース3000mmとなっている(いずれの数値も開発目標値)。この数値だけを見れば、現行型のカムリやレクサスESよりも大型のセダンであり、レクサスLSに迫る勢いだ。
先に登場するクラウンクロスオーバー(全長4930mm×全幅1840mm×全高1540mm)よりも、より長く、幅広くなるクラウンセダン。トヨタのフラッグシップセダンとして恥じない、圧倒的な存在感を醸し出すだろう。
クラウンセダンについて、現時点で分かっているのはサイズ感とデザインだけだ。駆動方式やパワーユニットなどは、クラウンクロスオーバーと同じものを使用するのか、セダンだけは大きく変えてくるのか、今のところ分かっていない。
それでもFRにこだわり続けたクラウンの走りは、FFになったクロスオーバーでも十分に引き継がれていることが分かった。足回りの改良やDRSという技術を使い、クルマが大きくなっても、FFになってもクラウンにある走りの価値は変わっていない。
5mオーバーのフラッグシップセダンは、ショーファー要素を高めながら、狭い道でも活躍できる日本の高級車であることを忘れることはないだろう。
■2023年はトヨタ高級モデルに注目
クラウンの4タイプ構成が確定し、これまでのクラウンユーザーがどのように動くのかが、これからわかってくる。発表前までは、クロスオーバーとなるクラウンに否定的な意見が多かったが、実車の登場と同時に意見は逆転した。
また、2015年登場の現行アルファードでも、ユーザーの代替需要は高まっている。特に多人数乗車がマストではないユーザー層が、多様化したクラウンに動く可能性もあるだろう。
新型アルファード、クラウンセダンともに魅力的な高級車であることは間違いない。その上で、おっさん世代が選ぶには、「運転するならクラウン」「ショーファーカーならアルファード」という基準をおススメしたいところだ。
2023年の登場となるが、まだ約1年の時間がある。クラウンクロスオーバーの動向を見ながら、クラウンかアルファードか、迷う時間を楽しむのも悪くない。
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