■今後のホンダデザインはどこへ向かう?
顔以外のフォルムはかなり有機的で、ロボットより生き物に近い。
ホンダによれば、「フロントからリヤにかけて、ボリューム豊かで滑らかな面が特徴的な流麗なプロポーションとしました」「リヤは、ボディの下まわりにボリュームを持たせつつ、上に向かってなめらかに絞り込むことでワイドトレッドを強調した造形としています」とのこと。
サイドやリヤの造形は先代ヴェゼルに近く、現代のSUVとして非常にオーソドックス。厳しく言えば凡庸で、やや古臭い。
ではインテリアはどうかというと、ダッシュボードは新型ヴェゼルやステップワゴン同様、シンプルな水平基調で、非常にスッキリした印象だ。
「インテリアは、左右に伸びやかに広がるインストルメントパネルを採用することで、広々とした空間を演出しました。また、細部にわたる部品の仕立ても、機能的で緻密な仕上げによって造形の美しさを際立たせ、1クラス上の上質な室内空間を目指しました」(ホンダのリリースより)
フォルムが有機的で肉食っぽいのに対して、インテリアは和風のサッパリ風味。どこかチグハグという気がしないでもないが、実物はどうだろう?
総合すると、ZR-Vのデザインは、顔のインパクトは十分だが、それ以外はヴェゼルのようなスッキリサワヤカ感はなく、ホンダのシンプルデザイン路線からすると、やや中途半端に感じられる。
海外ではCR-Vが、装飾多めのくどいデザインで大ヒットになっているわけで、海外での販売が先行したZR-Vも、その路線をある程度継承する必要があったのではないだろうか。
顔は昭和のロボット風でシンプル風味、インテリアもサッパリ味だが、日本人の好みとしては、断然ヴェゼルのデザインの勝ち……のように思える。
シンプル路線に舵を切ったホンダデザインも、すぐにはそちらで世界統一できない事情があるのだろう。
【画像ギャラリー】ZR-Vの「お間抜けロボット顔」はホンダデザインの中心となるのか?(12枚)画像ギャラリー
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