■B16B型エンジン(初代シビックタイプR搭載)
続いて紹介するのは、最大許容回転数が8400回転、ボア81mm×ストローク77.4mmというショートストローク型のB16B型1.6L、直列4気筒DOHC VTECエンジンだ。搭載しているのは、初代シビックタイプRだ。
最高出力185ps/8200rpm、最大トルク16.3kgm/7500rpmを発生するB16B型1.6L、直列4気筒DOHC VTECエンジンは、当時リッター当たり116馬力という自然吸気エンジン世界最高峰のパワーを獲得している。
シビックSiRに搭載されているB16Aエンジンをベースに、吸排気系を徹底してチューニングすることで圧縮比を10.4から10.8にアップ。最大許容回転数を8200から8400回転へと高めている。
高回転化への技術としてバルブ系を強化。インテーク側のバルブスプリングを楕円断面の2重スプリングとし、バルブ軸径を一部細軸化し傘部をスリム化。軽量化しながら広開角・高リフトに対応する高強度を実現するとともに、高回転域でのバルブ追随性を高めている。
また、コンロッドを軽量化し、回転バランスに優れたフルバランサー8ウエイト仕様のクランクシャフトを採用することで高回転化に対応させている。
同時に、主に高回転域のトルクを厚くすることで、アクセル操作に追従した爽快な伸びを実現している。また、ピストン摺動部などのフリクションを低減させることで、全域にわたりレスポンスに優れた小気味良い加速フィールを獲得している。
1997年~2001年まで販売された初代シビックタイプRの中古車は約73台流通していて、平均価格は約265.2万円。中古車の価格帯は約169万~約498万円と新車時価格を超える中古車が数多く流通している。
■K20A型エンジン(3代目シビックタイプR搭載)
そして最後に取り上げるのは、2007年~2010年に販売された3代目のシビックタイプRだ。3代目シビックタイプRに搭載されているK20A型2L、直列4気筒DOHC i-VTECエンジンは、インテグラタイプRやアコードユーロRなどにも搭載されている。
しかし、3代目シビックタイプRに搭載されているK20A型エンジンは、FFタイプR史上最速を目指し、更なるパワーアップを追求したチューニングが施されている。
3代目シビックタイプRに搭載されているK20A型エンジンは、最大許容回転数が8400回転。最高出力225ps/8,000rpm、最大トルク215Nm/6,100rpmを発生。エンジンのボア86mm×ストローク86mmのスクエア型となっていて、リッター当たり112.5馬力を発生する。
ベースのK20A型エンジンに対して、スロットルボディの大型化をはじめ、インテークマニホールドの単管ショート化。さらにNSX同様にヘッドポートの表面を滑らかに仕上げる製法を採用し、あわせて吸排気効率を向上させた。
その結果、圧縮比は従来11.5だったが11.7までアップさせ燃焼効率を高めた。さらにエキゾーストマニホールドの集合部鋭角化、パワーステアリングを油圧式に変更しデュアルエキゾーストパイプの曲りを減らし排気抵抗を低減させるなど、目標を達成するために、様々な工夫が施された。
加えて、スロットルをDBW(ドライブ・バイ・ワイヤ)化し、アクセルペダルの踏み込み量に対するスロットル開度をきめ細かくセッティングし、優れたコントロール性を実現している。
現在、3代目シビックタイプRの中古車は約130台流通していて、歴代シビックタイプRの中で最も豊富だ。中古車の平均価格は約300万円。価格帯は約176万~1358万円となっている。
1000万円を超える中古車は300台限定で販売された無限のコンプリートカー、無限RRだ。また、流通台数は限られるがホンダの認定中古車があり、新車時価格を上回っているが、コンディション的にもオススメのモデルだ。
このほかにも、初代インテグラタイプRに搭載されていたB18C型やプレリュードなどに搭載されていたH22A型など魅力的なエンジンがある。これらのエンジンを味わうなら早めにアクションしたい。
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