ランクルの残価率は高いもN-BOXは以外と低い!? キモは需要と供給バランス
そこで残価の高い車種を挙げると、ランドクルーザーが突出している。今は納期遅延のために受注を停止しているが、以前は3年後の残価率(新車価格に占める残価の比率)がガソリンエンジン搭載車では70%に達した。3年後の残価率は、一般的に43~48%だから、70%は相当な高残価であった。
ちなみに人気のカテゴリーとされるSUVには、残価率の高い車種が多い。3年後の残価率は、新型エクストレイルが62%、ハリアーハイブリッドは59%、カローラクロスハイブリッドは53%、ヤリスクロスハイブリッドは52%という具合だ。
SUV以外のカテゴリーでは、ミニバンのヴォクシーが55%、軽自動車のN-BOXは49%になる。N-BOXは国内販売のトップクラスに位置する人気車だが、残価率は際立って高くない。49%なら低くはないが、ハリアーなどに比べると見劣りする。
その理由は、N-BOXの中古車価格が、大幅には高まらないからだ。現行N-BOXは、2017年に発売されて販売は絶好調だが、中古車市場の流通台数も多い。従ってN-BOXを2022年に購入して3年後の2025年に売却した時は、中古車市場に同型車が溢れている。需要と供給のバランスにより、ランドクルーザーのような希少性は生じないから、人気車なのに3年後の残価率が50%に達しないのだ。
つまり数年後に高値で売却できる残価率の高いクルマであるためには、売却する時点において中古車で買いたいユーザーが多く、なおかつ流通台数があまり多くないことも大切だ。
残価率は日々変わる!? 新型エクストレイルは今が買い時なワケ
となれば新車価格が300万円を超える車種が有利になる。新車では予算がオーバーして、中古車の購入を考えるユーザーも増えるからだ。また新型車も有利。例えばエクストレイルは2022年7月に登場した新型車だから、3年後の時点では、中古車の流通台数は少ない。希少性も生じて高値で売却できるから、先に述べた通り62%の高い残価率を設定できた。そうなるとエクストレイルの残価率は、これから時間の経過に伴って、下がる可能性もあるわけだ。
また残価設定ローンでは、残価率の違いにより、価格と月々の返済額が逆転することもある。例えばハリアーハイブリッドGの価格は400万円、カムリGは380万4000円だから、ハリアーが約20万円高い。
ところが3年間の残価設定ローンをボーナス払いのない均等払いで利用すると、月々の返済額はハリアーが6万円、カムリは7万2200円になる。ハリアーの価格はカムリに比べて約20万円高いのに、月々の返済額は1万2200円安いのだ。3年後に車両を返却する場合なら、ハリアーを選ぶと、価格はカムリより高くても少ない出費で使用できるのだ。
このような違いが生じると、多くのユーザーは、残価設定ローンを利用してハリアーのような残価率の高い車種を選ぶ。そして3~5年後には返却するだろう。そこが残価設定ローンを活用するメーカーや販売会社の狙いでもある。高値で売却できるハリアーのような人気の中古車が手に入り、なおかつ販売店の提案次第では、改めて残価率の高い新車を契約してもらえるからだ。
新車を短期間で乗り替えて、なおかつ出費を抑えたいユーザーは、数年後に高値で売却できる残価率の高い車種を選ぶのが良い。
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