M系にこだわらなくてもいい理由とは?
何がなんでもM系でなければならないかといえばそんなことはない。たとえばMパフォーマンス系のM440iはM4に比べて絶対的なパワーこそ劣るものの、387psを発揮する直6ターボは十二分な動力性能と共に、トップエンドまで快音を響かせながらスキッと回り切る官能的なフィーリングも備えています。
日常からワインディングに至るところでは足回りのしつけも文句なし。つまり、ドライバーの用途によっては明らかにMパフォーマンス系の方がドンピシャという選択も考えられるわけです。
逆にいえば現在のM系は、スーパーカーもかくやの超絶パフォーマンスを日常遣いしたい人や、週末にはサーキットのスポーツ走行に打ち込む人、日本離れしたスケール感のグランドツーリングを楽しむ人など、ちょっと狭いニーズにピタッとピントが合う、そんなクルマに躾けられています。
「ほぼ」ノーとした理由は、仮に一番いいやつ持ってこい的な買い物でM系が運ばれてきたとしても、極端に困ることはないから。乗り心地もそこまで悪くはありませんし、低速域でも扱いやすく、居住性や積載力もきちんと確保されています。
見た目は派手だったり物騒だったりで、羊の皮を被った狼的な存在感は薄くなりましたが、代々のモデルが持つ柔軟性はきちんと受け継がれているというわけです。
そんなわけで最後は、M系の美点をばっちり備えた旧モデルの選択肢をご紹介。そろそろディーラーというよりも専門店のご厄介になるべき年頃の個体もありますが、中古車市場でも断然現役の3モデルです。
M系に乗りたい人に!! オススメ中古モデル 3選
●E39 M5
1998年から発売されたM5の最大の特徴は、自然吸気の4.9LV8ユニット、S62型でしょう。かのZ8にも搭載されるそれは高回転に向かうほどにカリッとフォーカスが定まってくる高性能ユニットならではの芯を食う快感がある一方で、低回転域からガチッとしたトルクが発せられる野太さも併せ持つ名機です。
一時期はFRのリファレンスとも称されたE39系のシャシーとのコンビネーションで、いまだに根強いファンに支持されています。
●E46 M3
2000年から発売されるM3も最大のウリはエンジン。S54型は直6のBMWにあって、回すほどにキリッと澄み渡るサウンドやメカノイズ、パワーの伸び感などが相まって、刹那的ともいえる官能性を備えています。前世代のE36系M3とあわせて、直6の黄金期を支えた1台です。E46系は若干重いもののシャシーの容量も余裕があり、現代的水準で走り込めるゆとりがあります。
●F87 M2
つい最近まで販売されていたM2は、M4の弟分というイメージもありますが、あえてこちらと積極的に選ぶ理由のあるクルマでした。その適切なサイズ感やパワーは日本の峠道でもストレスを感じることなく気持ちよく走れるギリギリのところ。モデルライフ後半には強化されたS55型ツインターボが搭載されより刺激度が高まりますが、前期型のN55型の丁度良さを選ぶもありだと思います。
中古スポーツカー高騰の折り、まずまず値こなれ感もありますから、あえて前期型の3ペダルを選んで長く乗るというのもありではないでしょうか。
【画像ギャラリー】中古でオススメ「M」モデルと設立50周年を記念した限定車の写真はこちら!!(16枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方