若者のクルマ離れがよく話題になるが、その原因の一つが運転免許の取得費用が高額なことだろう。経済的に不安定な昨今、昔のように高校卒業と同時に免許を取得するのは負担が大きいはずだ。
一般的に、初めて普通自動車の教習を受ける際の料金は30万円前後となっている。では、この30万円の内訳はどうなっているのだろうか?
文/齊藤優太、写真/Adobe Stock(トップ画像=mapo@Adobe Stock)
■教習料金30万円は高い? 妥当? 教習料金の内訳について
教習料金は自動車学校や免許の種類によって差があるものの、普通自動車の料金はおおよそ30万円です。まず、この約30万円の内訳を見ていきましょう。
【教習料金の内訳】
・入学金:4万円〜5万円程度
・適性検査代:約3500円
・教材代:約3500円
・学科教習代:約6万円
・仮免許前/卒業検前の学科のテスト:約5000円
・技能教習代(高速代を含む):約15万円
・技能検定代(修了検定/卒業検定):約1万円
・写真代:1000円前後
・印紙代:2850円
合計=28万2350円
(※上記の計算はあくまでもおおよその目安です)
教習所によって、入学金や学科教習・技能教習の料金などに違いがあります。また、AT限定とMT免許で教習時間に違いがあるため、取得しようとする免許の種類によっても料金が変わります。
内訳だけを紹介しても、料金が高いか妥当なのかわかりにくいと思います。では、教習料金30万円を教習時間で割った1コマあたりの金額を算出してみましょう。まず、普通自動車(免許なし)の教習時間を見ていきます。
【普通自動車の教習時限数一覧】
●技能教習の時限数
・MT免許:1段階15時間以上+2段階19時間以上=合計34時間以上
・AT限定免許:1段階12時間以上+2段階19時間以上=合計31時間以上
●学科教習の時限数
・1段階10時間+2段階16時間=合計26時間
●技能教習と学科教習の合計時間
・MT免許=60時間以上
・AT限定=57時間以上
次に、時間数で教習料金を割ってみましょう。ここでは、わかりやすくするために免許の種類にかかわらず教習料金30万円としています。
●1コマあたりの教習料金
・MT免許:30万円÷60時間=5000円
・AT限定:30万円÷57時間=5263円
1コマあたり約5000円と考えると高く感じるでしょう。
参考までに、大学の授業料を調べてみると、学校や学部・学科などによって違いがあるものの、1コマ(90分)あたり3000円〜5000円程度のようです。教習は、1コマ50分を1時間としているため、大学の1コマ90分の授業料より高いといえます。
また、細かい話になってしまいますが、教習1コマ50分の金額が5000円の場合、1分あたり100円となります。国際電話の通話料金に近い金額です。そのため、教習中にわからないことがあれば指導員にどんどん質問して、さまざまなことを学んだほうがお得だといえるでしょう。
時間あたりの料金を計算してみると、やはり教習料金は高いと感じるかもしれません。しかし、1時間5000円で今後ずっと使える交通社会の知識や技術の基礎を学べると考えれば妥当といえるのではないでしょうか。
コメント
コメントの使い方40年前はほぼ半額で取得しました。 12万強
時間教習は3000円で1時間大型バイクを乗らせてくれました時代です。
それを思うと、今の金額はそれほど高額だとは思いませんが、国民の所得が上がっていない方がむしろ問題かと。
つまり、政治による経済対策が進んでいないように思われます。思ったほど国民の所得は上がっていない。