ホンダの技術力の高さを見せつけた革新的HVだったが……「ホンダ インサイト」
1999年に登場して以来、ホンダのハイブリッド専用車として3世代に渡って国内販売されてきたインサイト。
1999年にデビューした初代は燃費性能を追求。オールアルミ製モノコックを採用し、ボディにもアルミとプラスチックを使用するなどして、820kgというハイブリッドカーとしては驚異的な軽量化を実現。そのおかけで、当時の量産車としては最高となる35km/L(10・15モード)を達成。ホンダの技術力の高さを世に示した。
2代目はハイブリッドの車の普及を目指して価格を抑え、ボディタイプも5ドアファストバックスタイルへ。デビュー直後は好調だったが、ライバルだった3代目プリウスに押され、販売台数は低迷し、2018年にフルモデルチェンジが実施され、3代目へ。
この3代目は「コストパフォーマンスに優れたエコカー」から「高機能かつ上質なスポーティセダン」へとコンセプトを大きく変更。それに伴い価格もアップ。最も安いグレードなら200万円を切る価格設定だった先代とは異なり、3代目はなんと200万円台のグレードすらなく、すべて300万円以上という価格設定に。結果としてこの方向転換が仇となってしまった。さらに国内のセダン低迷のあおりも受け、2022年8月末で生産が終了となった。
インサイトの実質的な後継車は発表されたばかりの新型シビックe:HEVとも言われている。今後はシビックe:HEVの動向に注目したいところだ。
スーパーハイトワゴン同士の共食いに負けた!? 「ダイハツ ウェイク」
ウェイクは2014年11月に登場。「視界の良さ」と「荷室の広さ」を追求したワンボックス軽自動車だ。何より話題となったのは、1835mmという驚異の車高。当然キャビンスペースは広々で、日常使いからレジャーまで、多用途に使える新ジャンルのスーパーハイトワゴンとして注目を浴びた。
ウェイクは登場してから最初の数年は一定の販売台数を保ち続けてきたが、年々販売台数が落ち、一度もフルモデルチェンジをしないまま2022年8月にて生産終了、在庫がなくなり次第販売終了となった。
ではなぜ生産終了となったのか? その理由は比較的高めの価格設定に加え、車両重量が大きいことによる燃費の悪さなど、それなら「タント」やフルモデルチェンジしたばかりの「アトレー」のほうが総合的にいいのでは? というユーザーからの視点が販売不振につながったのだろう。
ここだけの話、営業マンはウェイクとタントを比べてウェイクの劣っている部分を説明し、タントをアピールして販売につなげるとか……。ちょっとさびしい話だ。個人的にはウェイクのテレビコマーシャルは好きだったなぁ。
海外進出の失敗が痛手となった!? 「日産 キューブ」
キューブの初代モデルは、1998年にマーチの派生モデルとして誕生した。当時はエポックメイキングなクルマとして注目を集め、同年の新車販売台数は、巨人、カローラに次ぐ2位の座を獲得するなど、ロケットスタートを決めたモデルだ。
2002年に発売された2代目は、日産の真骨頂であるパイクカーの系譜を継ぐ個性的なデザインが注目を集め、国内外で高い評価を受けた。実際、2003年から2004年には年間の国内累計販売台数は約14万台と、キューブ史上最大のヒット作となった。
そして、2008年から現行型の3代目の販売がスタート。しかし、マーチと同様、10年以上もフルモデルチェンジもされずと、ある意味、放置状態に……。
今の時代自動車メーカーが確実に利益を上げ生き残るには、同一車種を国内のみならず海外での販売も視野に入れ、販売台数を増やす必要がある。発売当初は、海外でもそれなりの話題となったキューブだったが結果的には海外ニーズには合わず、残念ながら成功しないまま海外展開は終了。
一昔前に比べ国内自動車市場のみで勝負するには厳しいのが実情。海外進出に失敗したキューブは利益のあがらない存在と見なされ、放置状態になってしまったのだ。
そして、初代モデルの登場から21年後の2019年12月末をもって、ひっそりと生産終了となった。あまりにひっそりすぎて、知らなかった! という人も多かったというあまりにさみしい撤退となった。
コメント
コメントの使い方マーチが無くなった事によって、日産では100万円台で買える普通車が無くなってしまったな。
そういう客には今後、デイズかルークスをすすめるんだろうね。