未曾有の大異変のなか各メーカーが抱える問題点とは? 国産メーカーのクルマ販売最前線

■レクサス編(2021年の国内総販売台数:5万1118台/国内の販売拠点数:170店)

●テーマ
・ワンプライス販売の現状は?
長期納車のLXの対応は?
現在の主力販売車種は?

最新のレクサスSUVであるNX(写真)の引き合いは多い。旧型のオーナーが多いのも好影響
最新のレクサスSUVであるNX(写真)の引き合いは多い。旧型のオーナーが多いのも好影響

 レクサスは値引きゼロでのワンプライス販売、高いリセールバリューの設定などを打ち出していたが、最近は若干変化。交渉開始時点での見積書作成の際は値引きゼロを提示し、これは動かしていない。ただオプション部品&付属品装着での用品サービスは10万〜20万円の範囲で行っている。

 また下取りがあるとレクサスの歴代モデル、トヨタ車、ベンツ、BMW、アウディ、フォルクスワーゲンなどの欧州車を中心に10万〜20万円程下取り価格を引き上げているので、実質的には20万〜40万円値引きしているのと同様になっている。

 さらに残価設定クレジットの場合の3〜5年後の残価についてトヨタ車に比べて5〜10ポイントのパーセンテージで高額の設定をしていたが、最近はトヨタ車並みに引き下げている。実質的な値引き拡大で高い中古車価格を維持できなくなっているためである。それでもリセールバリューは他社より高いほうだ。

 LXはトヨタブランドで言えばランドクルーザー300に相当するから、同様に4年以上の納車待ち状態であり、オーダーストップしている。したがってどこのレクサス店に出向いても購入できない状況で、生産再開を待つしか手がないと言える。

 5月の登録実績で見るとNX1117台、IS517台、UX374台、RX336台、LX242台、LS112台であり圧倒的にSUVが売れ筋で、ショールームにはSUVのみの展示が多くなっている。

(TEXT/遠藤 徹)

■日産編(2021年の国内総販売台数:45万1671台/国内の販売拠点数:2100店)

●テーマ
・ニューカースケジュールの遅れの影響は?
・問い合わせの多い車種は?

発表後3週間で約1万1000台を受注した軽EVの日産 サクラ(写真)。納期の長期化は必至の情勢だ
発表後3週間で約1万1000台を受注した軽EVの日産 サクラ(写真)。納期の長期化は必至の情勢だ

 日産は当初、2021年秋にエクストレイル、今夏にセレナを各フルモデルチェンジし、昨年末には新型電気自動車「アリア」の量産モデルを発売する予定だった。

 それが販社によればエクストレイルはまだ発表されず(※記事執筆後の7月20日に発表)、セレナは1年以上も遅れ、いまだに投入されていない。

 アリアの量産モデルは航続距離の短いB6は年初に発売されているが航続距離の長いB9はまだ未定となっている。新型軽の電気自動車『サクラ』は発売されているが納期が年末以降と大幅に長期化している。

 これらの車種は購入希望ユーザーからの問い合わせが連日のように殺到しているが、営業マンは対応に大わらわとなっている。サプライヤーからの半導体を中心とした部品供給の遅れでスムーズな生産ができないためである。

 では現在の日産のラインナップで客から問い合わせの多い車種は何か?

 それはエクストレイル(新型)、セレナ(現行)、アリア、ノート、ノートオーラ、サクラなど、当然ながら販売実績のあるモデルに問い合わせが多くみられる状況にある。

 そのなかでもノート、ノートオーラは半導体部品の供給遅れの影響で納期が長引き、一時生産休止に追い込まれるケースも生じた。エクストレイルは新開発のe-POWERユニットが1.5Lターボになり、大幅な性能向上が見込まれることから、これに関する問い合わせも目立っている。

(TEXT/遠藤 徹)

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