「野性味のあるカローラ」って!? GRカローラ登場で考える歴代カローラスポーツグレードの存在意義

■AE86型カローラレビン(5代目カローラファミリー、1983年登場)

トヨタ カローラレビン(AE86型)
トヨタ カローラレビン(AE86型)

 5代目カローラファミリーのスポーツモデルの大きなトピックスは1.6LDOHCエンジンが2T型から新開発された、あの4A-GEとなったことと、レビン以外はFF化されるなかで、レビンだけはFRで継続された点だ。

 4A-GEは2バルブだった2T型に対し4バルブ化されたことなどにより、アイドリングからレブリミットの7700回転まで0.98秒という吹け上がりの鋭さや25kgも軽量化された点などにより、動力性能だけでなくクルマ全体の性能向上にも貢献した。

 駆動方式に関してレビンはエンジン以外の機能面をTE71型のキャリーオーバーという形で、FRが継続された。そのため4A-GEを搭載したAE86型レビンは、エンジン以外の基本性能は現役時代からそれほど高いものではなかった。

 しかし、エンジン以外の機能面がTE71型のキャリーオーバーだったことはパーツの互換性などにより登場後すぐに競技車両が登場するなどメリットも少なくなかった。

 さらにAE86型レビンは現役時代が終わるとコンパクトなFR車が激減したことや全体的にチューニングしやすいこともあり、いまだにファンが多い名車となった。

■レビンFF時代

トヨタ カローラレビン(AE92型)
トヨタ カローラレビン(AE92型)

 1987年登場のE90系となる6代目モデルからカローラファミリーはレビンを含め全車FF化され、ここからはE110系まで続く4A-GEを搭載したレビンを簡単に振り返っていく。

●AE92型カローラレビン(1987年登場)

 FF化による批判はあったものの、クルマ自体を総合的に見ればFFながらコントローラブルなハンドリングを持つなど、絶対的な速さを含めいいクルマとなった。

 さらに4A-GEもスーパーチャージャーが付く4A-GZEを搭載するGT-Zが加わったほか、特に後期型はガソリンをハイオク仕様とすることなどでそれぞれ前期型に対してプラス20psとなる140psと165psに進化。また、ミニソアラ的な内外装やバブルという時代背景もあり、E90型はもっとも売れたレビンとなった。

●AE101型カローラレビン(7代目カローラファミリー、1991年登場)

 AE101型カローラレビンはバブル末期の登場ということもあり豪華路線をさらに進め、インテリアなどは現在のGR86&BRZ以上と言える質感を持っていた半面、車重の増加など歴代レビンで軟派なモデルでもあった。

 それでも4A-GEは5バルブ化とVVT(可変バルブタイミング機構)の採用により160psにパワーアップ。サスペンションも一部グレードでフロントにコーナリングスピードを高めるスーパーストラットサスペンションを設定し、それなりのスポーツ性を備えていた。

●AE111型カローラレビン(8代目カローラファミリー、1995年登場)

 AE111型カローラレビンは8代目カローラファミリー自体がバブル崩壊後の登場という時代背景により、特に前期型ではコストダウンが目立ち、内外装の質感低下を感じたのは事実だった。

 しかし、AE111型カローラレビンはAE101型に対して70kg軽量化されており、4A-GEは165psにパワーアップし(スーパーチャージャーは廃止)、スーパーストラットサスペンションも熟成されたうえにトラクションを高めるヘリカルLSDが設定されながら、価格は大幅値下げと、スポーツモデルとして見ればいいこと尽くめのフルモデルチェンジだった。

●ZZE123型カローラフィールダー&ランクスZ(9代目カローラファミリー、2000年登場)

 9代目カローラファミリーでレビンはセリカに統合される形で絶版となったが、ステーションワゴンのフィールダーと5ドアハッチバックのランクスに190psの1.8L2ZZ-GE型エンジンを搭載するZグレードがあった。

 このモデルは本格的なスポーツモデルとして見ると「もうちょっと」という感もあったが、実用性も備えたほどほどのスポーツモデルとして見れば充分なスポーツ性を備えており、その意味ではカローラファミリーらしいスポーツモデルだった。

次ページは : ■カローラファミリーのスポーツモデルの存在意義とは?

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