「野性味のあるカローラ」って!? GRカローラ登場で考える歴代カローラスポーツグレードの存在意義

■カローラファミリーのスポーツモデルの存在意義とは?

2022年6月に日本仕様が発表されたトヨタ GRカローラ
2022年6月に日本仕様が発表されたトヨタ GRカローラ

 GRカローラのプロモーションビデオでは「カローラは誰かのストーリーになるクルマだと思っています」という豊田章男社長の言葉があったが、そのとおりだと思う。

 具体的には「初めて買ったクルマがカローラだった」、「初めてスポーツ走行をしたクルマがカローラだった」、「タイ国のような新興国ではカローラは300万円を超える高級車である」といったことだろう。

 このあたりは筆者が自分で初めて買ったクルマは冒頭に書いたAE86トレノだったのに加え、AE111レビンでは2年間草耐久レースをやっていたことからもよくわかる。

 筆者の経験から感じる5ナンバーだったE120系までのカローラファミリーのスポーツモデルの存在意義は「リーズナブルでけっこう速くて楽しく、丈夫なクルマなので安上がり、要するにいい意味で万人向けかつ手軽」ということだと思う。

 特に筆者が草耐久レースで使っていたAE111レビンは10年落ち、走行10万km、10万円くらいという中古車をライトチューンしたクルマだった。

 そんなクルマながら一度それなりの整備をし、油温上昇の対策でオイルクーラーを追加するとずっと全開走行も可能で、草耐久レースをしていた2年間のランニングコストもほぼ消耗品だけと安上がりだった。

 つまり、5ナンバー時代のカローラファミリーのスポーツモデルにもカローラのよきDNAが引き継がれていたということである。

 その意味ではGRカローラは5ナンバー時代のカローラファミリーのスポーツモデルとは別の世界のクルマなのは事実だが、それは同クラスのシビックタイプRやメガーヌR.S.同様にやむを得ないところだろう。

 しかし、5ナンバー時代のカローラファミリーのスポーツモデルの役割はふつうと言えばふつうのクルマながら、アフターパーツも豊富でモータースポーツ参戦ベース車になるなどマニアックな魅力もあって、MT車なら154万3000円からというヤリスの1.5Lガソリンに引き継がれているのは立派なことだ。

 そんなことを考えていると5ナンバー時代のカローラファミリーのスポーツモデルと同等となる200万円前後のスポーツモデルはスイフトスポーツやデミオ15MBもあるほか、近々フィットRSも復活するなど、今も手軽なスポーツモデルがそれなりに揃っているのは嬉しいことである。

【画像ギャラリー】カローラファミリー久々の本格的スポーツモデル!! トヨタ GRカローラ RZ&モリゾウエディション(21枚)画像ギャラリー

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