中国車って輸入できたっけ? 紅旗やBYDが続々と上陸するワケ

中国車って輸入できたっけ? 紅旗やBYDが続々と上陸するワケ

 海外のクルマを日本へ輸入するには、保安基準や排ガスの値が日本の法規に合致しているかを証明する必要がある。この手続きは結構面倒なため、やりとりを簡素化する協定を結んでいる国が多いのだが、そこに含まれていないのがアメリカと中国。とくに中国のクルマは輸入の歴史が浅いため、ナンバーを付けることは事実上不可能とまで言われてきた。

 ところが2021年、第一汽車のフラッグシップ「紅旗H9」の日本販売が始まったし、黒船BYDの上陸もニュースになったばかり。テスラのモデル3なども現在は上海工場製だ。

 なぜ中国車は日本でナンバーが取得できるようになったのか。自動車ビジネスに詳しい桃田健史氏のレポートをお届けしよう。

文/桃田健史、写真/加藤ヒロト(中国車研究家)、Adobestock、ベストカーWeb編集部(トビラ写真=Comofoto@Adobestock)

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■「58協定」に加盟していないアメリカと中国

中国車って輸入できたっけ? 紅旗やBYDが続々と上陸するワケ
2021年春、大阪に販売拠点を設けて話題となった紅旗(写真/加藤ヒロト)

 2022年7月、中国の自動車メーカーBYD(ビーワイディー。実はアップルのiPadの生産も手掛けている)が日本市場に上陸することが巷で大きな話題となった。BYD AUTOジャパンを設立し、販売代理店を通じて乗用車の販売とアフターサービスを提供。2025年末までに日本全国で事業展開を目指すとしている。中国では国策としてEV(電気自動車)の普及を積極的に後押ししており、BYDが日本でEVの価格破壊を起こすのかもしれない、といった論調が多い印象だ。

 そのほか、中国車といえば、2021年に中国大手の第一汽車がプレミアムブランド「紅旗」を導入し、大阪なんばにオープンした紅旗専用ショールームについて大きく報道されたことが記憶に新しい。

 そうした中で、ユーザーの中には中国車の正規輸入について疑問を持つ人がいるかもしれない。なぜならば、これまで「中国車は日本の法規対応でコスト面など含めて輸入は難しい」といった情報がネットなどで広まっていたからだ。

 その根拠として引き合いに出されることが多いのが、1958年協定だ。1958年に締結された「国連の車両等の型式認定相互承認協定」という多国間協定である。

アメリカ車のインポーターはどう対応しているのか?

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値段次第ではEVの黒船になるかもしれないBYDの3台

 国土交通省によれば、1958年協定の目的について「自動車の装置ごとの安全・環境に関する基準の国際調和及び認証の相互認証を推進することにより、安全で環境性能の高い自動車を普及するとともに、自動車の国際流通の円滑化を図る」と記述している。

 具体的には、協定締約国は、国内で採用する国連規則を選択する。選択した国連規則について、その国連認定を行った場合、国番号付きの認定マーク(日本の場合はE43)と認定番号を与える。その上で、認定を取得した装置については、その国連規則を採用した他の協定締約国での認証手続きが不要になる。つまり、1958年協定に加入することで、海外の新車を正規輸入する場合の手続きが簡素化されるというわけだ。

 加入状況は直近の2022年6月現在、56ケ国と1地域。ドイツ、フランス、イタリアなど、欧州の国が主体で、アジアでは日本、韓国、マレーシア、タイ、パキスタンが名を連ねている。日本が加入したのは、1998年11月24日である。

 ここに、中国は入っていないし、またアメリカの名前もない。そこで、まずはアメリカ車についての対応について、Jeepブランドを日本で展開しているステランティスジャパンに聞いた。

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