ノア/ヴォクにも引け取らず!!! もっともっと売れてほしい! ホンダ新型ステップワゴンの魅力に今一度迫る

■運転支援システム等々にも抜かりなし。頼りになるぜ!

「あくまで人間中心」で広義のデザインが行われた新型ステップワゴンは、当然ながらパッケージングや快適装備などにも抜かりはない。

2列目キャプテンシートの内寄せ時ロングスライド量は780mm。運転席側の内寄せスライド量は75mmで、助手席側は75〜115mm
2列目キャプテンシートの内寄せ時ロングスライド量は780mm。運転席側の内寄せスライド量は75mmで、助手席側は75〜115mm

 2列目キャプテンシートは、前後ロングスライドだけでなく左右にもスライドできる構造で、3列目は着座位置を高くするとともに、前方のシートとヘッドレスト形状を工夫することで開放的な視界を実現。

 さらにシートクッションの厚みを増すことで、3列目であっても快適な座り心地を実現している。

 そして10.2インチのデジタルグラフィックメーターは瞬間的な認知と直感的な操作が可能で、パワーテールゲートには開く角度を任意に設定可能なメモリー機能を追加(※エアーには設定なし)。

 これは、スーパーマーケットの狭い駐車場などで抜群の使い勝手を炸裂させるだろう。

 パワーユニットは1.5L直噴VTECターボと2モーターハイブリッドシステム「e:HEV」の2種。e:HEVはエレクトリックギアセレクターを「B」にした際のアクセルオフ時の減速度がより強くなり、下り坂でのブレーキ操作を軽減。

 1.5L、VTECではエキゾーストポートやタービンなどの改良によってターボの応答性を向上させ、先代以上の「爽快な加速」を楽しむことができる。

 そしてもちろん最新の「ホンダセンシング」は全車標準装備で、アダプティブクルーズコントロールは全タイプで渋滞追従機能付きに進化。

 渋滞運転支援機能であるトラフィックジャムアシストも追加されている。

 さらに言えば、新型ステップワゴンにおいては「スパーダのデザインもグッとよくなった」というのも大きなトピックであろう。

こちらがステップワゴン スパーダ。ダーククローム仕上げのシャープなメッキパーツなどにより「上質でありながら品格あるたたずまい」としているが、カスタム系でありがちな「オラオラ顔」ではない点に好感が持てる
こちらがステップワゴン スパーダ。ダーククローム仕上げのシャープなメッキパーツなどにより「上質でありながら品格あるたたずまい」としているが、カスタム系でありがちな「オラオラ顔」ではない点に好感が持てる

 先代のスパーダも決して悪くはなかったかもしれないが、「ちょっとマイルドヤンキーっぽい」と評したくなるデザインではあった。

 だが新型スパーダは「力強さ」と「おしゃれ」の間にあるギリギリのゾーンを狙ったデザインで、そしてその試みは見事に成功した。エクステリアはプラチナ調クロームメッキ加飾により、インテリアはスエード調表皮とプライムスムースのコンビシートなどによって上質感を演出しているわけだが、多くの国産車が「上質感を追求しようとするとオヤジっぽくなるか、またはヤンキーっぽくなる」という落とし穴にハマるのを尻目に、新型スパーダは「いわゆるカスタムだが、決して田舎の元ヤンっぽくはない」というゾーンに着地したのだ。

 これも現行型N-WGNカスタムと並び、2020年代の自動車史に刻むべき傑作デザインである。

(TEXT/伊達軍曹)

■支払総額は約336万円から ぜひとも買って応援したい!

 2021年12月にティザー広告が始まった新型ステップワゴンだったが、ご承知のとおり5月27日、いよいよ実戦に投入された(=販売が始まった)。

最上級グレードに相当する「e:HEV スパーダ プレミアムライン」はメッキパーツがプラチナクローム仕立てに
最上級グレードに相当する「e:HEV スパーダ プレミアムライン」はメッキパーツがプラチナクローム仕立てに

 販売目標台数は月間5000台。ギラギラ帝国軍の主力兵器であるT社「N」と「V」の月販目標台数が合わせて1万3500台なので、いささか弱気なような気もするが、帝国軍と我が共和国軍の勢力差を考えれば、まぁ「妥当な数字」と言えるだろう。

 この数字をおおむね死守できれば、ニッポンの風景が変わるはず。

 逆に「月に3ケタ台しか売れない……」みたいな状況になってしまったら、シンプル共和国の崩壊とギラギラ帝国の侵略が完成してしまうため、ここはまさに踏ん張りどころである。

 日本全国で月に5000台ということは、人口比で考えると東京都で毎月550台、島根県で毎月26台が売れればなんとかなる計算。決して楽勝ではないかもしれないが、各位の奮闘により、なんとか戦線を維持したい。

 狙うべきグレードは好みや予算、使用環境などに応じて「人それぞれ」としか言いようがないが、客観的に考えるとすれば、家族で静かな幸せを噛み締めたい人には「e:HEVエアー」が、ある程度のイケイケ成分も欲しい人には1.5L、VTECターボ+力強いデザインの「スパーダ」がお薦めということになるだろう。

 またスパーダのエクステリアのダーククロームメッキパーツを「プラチナクローム仕立て」にバージョンアップ(?)させたうえで、専用デザインの17インチホイールやスエード調表皮&プライムスムースのコンビシートなどを採用した「e:HEVスパーダ プレミアムライン」も、ゴージャス志向の強い方にはお薦めとなる。

エアー(左)とスパーダ(右)のどちらを選んだとしても、最終的な結論としてはシアワセになれるはず!
エアー(左)とスパーダ(右)のどちらを選んだとしても、最終的な結論としてはシアワセになれるはず!

 本稿においてはイチ推しとしたい「e:HEVエアー(FF)」の車両本体価格は338万2500円。普通に必要な装備類はおおむねすべて標準装備されているため、とりたててオプション装備をたくさん付ける必要はない。

 ただ「マルチビューカメラシステム」はやはり欲しいところで、カーナビもなんだかんだで純正のやつが付いているほうがカッコいいため「11.4インチHonda CONNECTナビ」を付けるとすると、諸費用コミの支払総額は約398万円。安くはないが、最新世代のしゃれたミニバンの値段としては「そんなもんでしょう」といったところだ。

 e:HEVではなく1.5L、VTECターボの「エアー」を選んだ場合の総額は、先ほどのe:HEVエアーと同じオプション装備を選んだとして約367万円。

 ただ、「純正ナビはいらない! スマホのナビアプリでいいや!」とするなら、約336万円でイケるはずだ。

 どの路線で行くかは好みと信念次第だが、最安レベルでは乗り出し約336万円で手に入る新型ホンダ ステップワゴン。

 その販売が堅調に推移することを、筆者は心の底から願っている。ギラギラ帝国の侵略を防ぐため、がんばれステップワゴン、僕らの新型ステップワゴン!!

(TEXT/伊達軍曹)

●ホンダ 新型ステップワゴン 主要諸元(※カッコ内はトヨタ ノアの数値)
・全長:エアー 4800mm/スパーダ 4830mm(4695mm)
・全幅:1750mm(1730mm)
・全高:1840~1855mm(1895~1925mm)
・最低地上高:145~150mm(125~140mm)
・室内長:2845mm(2805mm)
・室内幅:1545mm(1470mm)
・室内高:1410〜1425mm(1405mm)
・ホイールベース:2890mm(2850mm)
・最小回転半径:エアー&スパーダ 5.4m/スパーダ プレミアムライン5.7m(5.5m)

【ガソリン1.5L直4VTECターボ】
・最高出力:150ps/5500rpm
・最大トルク:20.7kgm/1600~5000rpm

【e:HEV】
・2L直4i-VTEC 最高出力:145ps/6200rpm
・2L直4i-VTEC 最大トルク:17.8kgm/3500rpm
・モーター最高出力:184ps/5000~6000rpm
・モーター最大トルク:32.1kgm/0~2000rpm


次ページは : 【番外コラム】下町のデザイン評論家・MJブロンディはこう思う! ステップワゴンは白ワンピの美少女である!

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