■まさかのセダンもラインナップ! 今後1年半で4モデルを市販
ステージに並ぶ新型クラウンは向かって左から「クロスオーバー」、「スポーツ」、「セダン」、「エステート」の4タイプ。
2代目から6代目の時代には2ドアやステーションワゴン、時代によってはバンやピックアップなどもラインナップされたクラウンだが、11代目、S170系のエステートが2007年6月に販売を終了すると、それ以降のクラウンは4ドアセダンのみとなっていた。
開発を主導したミッドサイズビークルカンパニーの中嶋裕樹プレジデントは、当初15代目クラウンのマイナーチェンジを計画していたのだが、豊田社長は「マイチェンは飛ばしていいので、もっと本気で考えてみないか」と、クラウンの抜本的な改革を指示したのだという。
さまざまなアイデアを出していくなかで、常に意識していたことは「クラウンとは何か?」ということ。つまり、車体サイズであるとか、駆動方式に決まりなどはなく、大切なのは「お客様の笑顔」。
車高の低い、これまでの常識内でのセダンでは乗降性に難があり、ドライバーの視点も低く決して使い勝手に優れたものではない。
開発側が勝手に作り上げてしまっていた固定観念を取り払い、自由な視点で「これからのクラウン」を考え抜いた結果、真っ先に16代目クラウンとしてでき上がったのが、まず最初に発売が開始されるクロスオーバーだったのだ。
クラウンの変革、その覚悟を示すには全高1540mm、最低地上高145mmの「クロスオーバー」はシンボリックな存在となる。
エンジン縦置き、プロペラシャフトで後輪を駆動する、というドライブトレーンにもこだわりはない。
クロスオーバーはエンジン横置きで前輪を駆動。後輪はモーターで駆動する4WDを全モデルに採用する。
■9月1日より販売開始となるクロスオーバー
16代目クラウンとして最初に正式発表され、明日9月1日より発売開始となるのが、この「クロスオーバー」。
先代型まで頑なに守ってきた全幅1800mmを超える1840mmとしたことで、プロポーションのバランスがよくなった。
最低地上高は145mmと高く、ヒップポイントが610mmと高くなったことで乗降時の身体の動きが自然で楽。運転席に座るとアイポイントの高さを実感する。
プラットフォームはカムリやレクサスESなどの「GA-Kプラットフォーム」をベースに大幅改良。特にリアのマルチリンクサス周りは完全新開発となる。
後輪をモーター駆動する4WDを全モデルで採用。
また、リアアクスルは最大4度ステアするDRS(4輪操舵)を全モデル標準装着。最小回転半径は5.4mと小回りが利く。
■クラウンクロスオーバーRS アドバンス主要諸元()内はG アドバンス
・価格:640万円(510万円)
・WLTCモード燃費:15.7km/L(22.4km/L)
・全長:4930mm
・全幅:1840mm
・全高:1540mm
・ホイールベース:2850mm
・車両重量:1920kg(1770kg)
・最小回転半径:5.4m
・最低地上高:145mm
・エンジン:直列4気筒DOHCターボ、2393cc(直列4気筒DOHC、2487cc)
・最高出力:272ps/6000rpm(186ps/6000rpm)
・最大トルク:46.9kgm/2000-3000rpm(22.5kgm/3600-5200rpm)
・フロントモーター出力/トルク:82.9ps/29.8kgm(119.6ps/20.6kgm)
・リアモーター出力/トルク:80.2ps/17.2kgm(54.5ps/12.3kgm)
・システム出力:349ps(234ps)
・サスペンション:ストラット/マルチリンク
・タイヤサイズ:225/45R21(225/55R19)
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