マツダといえば、やはりその個性的なクルマ作りが大きな魅力となっている。そしてマツダにあって、他社にないコンセプトを持っている。
そんなマツダ車の中で、魅力的かつコストパフォーマンスの高いおすすめのクルマ3台を渡辺陽一郎氏に選んでもらった!
文/渡辺陽一郎、写真/ベストカー編集部
■企業努力と工夫で割安に
今のマツダ車は、魂動デザインとスカイアクティブ技術に絞り込んだクルマ造りを行っている。エンジンやプラットフォームの種類は相応にそろえるが、制御の考え方やセッティングの方向性は全車共通だ。
しかもすべての車種を日本と海外の両市場で販売するから、生産効率を高めてコスト低減も図りやすい。そのために機能や装備と価格のバランスを見ると、今のマツダには割安な車種が多い。具体的に紹介していきたい。
■コスパで選ぶマツダのSUV:CX-60
●買い得ベストグレード:XD・Lパッケージ・2WD(400万4000円)
マツダの買い得なSUVとして注目されるのがCX-60だ。売れ筋の価格帯は350~550万円と高めだが、エンジンの排気量、機能、装備などを考えると、価格は割安になる。
CX-60の特徴は、従来のCX-5やCX-8と異なり、後輪駆動をベースにした新しいプラットフォームを採用することだ。
特にクリーンディーゼルターボは、今では珍しい直列6気筒エンジンを新開発して、排気量も3.3Lと大きい。最高出力は231馬力(4000~4200回転)、最大トルクは5Lのガソリンエンジンに相当する51kg-m(1500~3000回転)になる。しかも主力グレードのWLTCモード燃費は19.8km/Lと良好だ。
CX-60の買い得ベストグレードは、この3.3Lクリーンディーゼルターボを搭載するXD・Lパッケージ・2WDになる。
衝突被害軽減ブレーキ、運転支援機能、後方の並走車両を検知して知らせるブラインドスポットモニタリング、ドライバーの様子をチェックして、異常が生じた時には車両を自動停止させるドライバー異常時対応システムなどを標準装着する。
価格は400万4000円で、この買い得度は、ライバル車のハリアーハイブリッドG・2WD(400万円)と比べると分かりやすい。
動力性能はCX-60のクリーンディーゼルターボが圧倒的に高く、WLTCモード燃費は、ハリアーハイブリッドGは22.3km/Lだ。CX-60は19.8km/Lだから燃料消費量は少し多いが、軽油の価格はレギュラーガソリンに比べて1L当たり約20円安い。従って燃料代は同程度になる。
内装の造り、居住性なども、CX-60のXD・Lパッケージ・2WDはハリアーに見劣りしない(ただしCX-60では標準仕様とSパッケージの質感は下がる)。CX-60の買い得度が強い。
ちなみに同じマツダのCX-5・XD・Lパッケージ・2WDは価格が352万円だが、直列4気筒2.2Lクリーンディーゼルターボは、CX-60の直列6気筒3.3Lに比べて、動力性能と燃費の両方で見劣りする。ドライバー異常時対応システム、クルージング&トラフィックサポートなども標準装着されない。
CX-60はCX-5と同等か、それ以上に割安で、後輪駆動によるマツダ車らしい走りの良さも考慮すると、買い得度は一層強まる。
コメント
コメントの使い方マツダは実際は割安感で売れてたのですが、良心的だった3や2にそれが無くなり、残るのはCX-5と60の一部グレードだけになりました
ファンが本当にデザインを評価し買ってるなら、割高なMX-30やCX-3等がもっと売れているはずですからね。マツダ社も本音と行動の差に翻弄されている感じがあります
このメーカーらしさを生き残らせるには、数字追ったコスパじゃなくあえて割高(=理想優先)を買うのが本当のファン