■コスパで選ぶマツダのスポーツカー:ロードスター
●買い得ベストグレード:990S(289万3000円)
今のマツダは、魂動デザインとスカイアクティブ技術に基づいて、運転の楽しさに重点を置いたクルマ造りを行う。その象徴がロードスターだ。車両重量が1トン前後に収まる運転感覚の軽快な後輪駆動のスポーツカーは、世界的にも珍しい。
ロードスターの価格は、直列4気筒1.5Lエンジンを搭載するソフトトップでも、最上級のRSになると335万6100円だ。
しかし買い得ベストグレードの990Sは、289万3000円に抑えた。990Sには大径ブレーキローターを備えたブレンボ製ブレーキユニットなどが標準装着され、サスペンションも990S専用にセッティングされている。
ベースグレードのロードスターSは、リヤスタビライザーやトンネルブレースバーを省いたことにより、後輪の絶妙な横滑りを味わえる。この運転感覚を洗練させたのが990Sだ。
価格が比較的求めやすい後輪駆動のスポーツカーとしてはGR86があり、SZの6速MTは303万6000円だ。GR86は直列4気筒2.4Lエンジンを搭載して、動力性能は1.5Lのロードスターを大幅に上まわる。
その意味ではGR86もスポーツカーでは価格を抑えた部類に入るが、ロードスター990Sは、爽快なオープンドライブも楽しめて価格は300万円以下だ。クルマ好きのユーザーにとっては、買い得なスポーツカーとなっている。
■コスパで選ぶマツダのコンパクトカー:マツダ2
●買い得ベストグレード:XDブラックトーンエディション(206万5000円)
マツダ車の中で、価格帯が最も安い車種はマツダ2だ。直列4気筒1.5Lのガソリンエンジン搭載車も低価格で魅力だが、マツダ車の走りの良さを味わいたいなら、1.5Lクリーンディーゼルターボ搭載車を推奨したい。
ATの動力性能は、最高出力が105馬力(4000回転)、最大トルクは25.5kg-m(1500~2500回転)だから、後者の数値は2.5Lのガソリンエンジンに相当する。
しかもWLTCモード燃費は21.6km/Lだから、軽油価格の安さも考慮すると、燃料代は燃費数値が24~25km/Lのガソリンエンジン搭載車と同程度だ。
経済性も優れている。マツダ2には1.5Lのノーマルガソリンエンジンも用意するが、クリーンディーゼルターボの価格アップは、装備が同等のブラックトーンエディション同士で比べると26万7000円に収まる。
ハイブリッドの価格アップは大半が35万円以上だから、クリーンディーゼルターボーは低燃費で高性能な割に買い得だ。
そしてクリーンディーゼルターボを搭載するマツダ2・XDブラックトーンエディションの価格は206万5000円で、高速域まで作動する衝突被害軽減ブレーキ、車間距離を自動制御できる全車速追従機能付きのクルーズコントロール、8インチセンターディスプレイ、16インチアルミホイールなどを標準装着した。
マツダ2の全高は、2WDの場合で1500mmと低めに抑えられ、前席を優先させた設計だから、コンパクトカーでは後席が狭い部類に入る。その代わり適切な運転姿勢が得られ、インパネなどの内装は上質で、ドライバーの満足感は高い。
そしてクリーンディーゼルターボは前述の通り動力性能が高く、全高を1500mmに抑えてホイールベース(前輪と後輪の間隔)を2570mmまで伸ばした効果もあり、走行安定性と乗り心地のバランスも良好だ。
ライバル車には、コンパクトカーのハイブリッドが挙げられる。ヤリスハイブリッドZはWLTCモード燃費は35.4km/Lと抜群に優れ、内装の質はマツダ2が上まわり、後席の居住空間はヤリスが若干広い。動力性能と走行安定性はマツダ2が勝る。
ヤリスハイブリッドZでは、アルミホイールはオプションだが、衝突被害軽減ブレーキ、運転支援機能、8インチのディスプレイオーディオ、シートヒーターなどは標準装着した。細かな優劣はあるが装備は同程度だ。
価格はヤリスハイブリッドZが235万円だから、マツダ2・XDブラックトーンエディションは約28万円安い。
ノートの内装は、マツダ2と同等か、それ以上に上質だ。後席はマツダ2よりも明らかに広い。動力性能はマツダ2のクリーンディーゼルターボが勝るが、加速の滑らかさと静かさではノートが上まわる。
装備については、ノートの場合、上級のXでもLEDヘッドランプや運転支援機能のプロパイロットがオプション設定になる。
ノートXの価格は221万1000円だが、LEDヘッドランプを含んだセットオプション(7万7000円)、カーナビ&ナビリンク機能のない安価なプロパイロットのセットオプション(16万3900円)を加えると、合計245万1900円に達する。
以上のようにライバル車と比べると、マツダ車は、メカニズム、機能、質感の割に価格を安く抑えていることが分かる。
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コメント
コメントの使い方マツダは実際は割安感で売れてたのですが、良心的だった3や2にそれが無くなり、残るのはCX-5と60の一部グレードだけになりました
ファンが本当にデザインを評価し買ってるなら、割高なMX-30やCX-3等がもっと売れているはずですからね。マツダ社も本音と行動の差に翻弄されている感じがあります
このメーカーらしさを生き残らせるには、数字追ったコスパじゃなくあえて割高(=理想優先)を買うのが本当のファン