■ニーズに合わせた短期開発ゆえの弱点も
この影響で小型車から軽自動車への乗り替えも増えて、小型/普通車しか生産しないトヨタに危機感が生まれた。軽自動車の販売急増にストップをかけるため、傘下のダイハツが大急ぎで開発したのが、ルーミーとその姉妹車であった。
開発期間が乏しく、当時はDNGAの新しいプラットフォームもないから、必然的にパッソをベースに開発した。その結果、前述のような欠点が生じている。
また開発に費やせる時間が短いから、小型車としての工夫を施す余地もない。軽自動車のスーパーハイトワゴンにきわめて近い小型車になったが、そのために商品の特徴がわかりやすく、人気を得ることもできた。
以上のようにルーミーは、よくも悪くも大急ぎで作った売れ筋軽自動車の拡大版だ。そのために販売が好調に推移している。
購入時には、ソリオの試乗車と乗り比べると、ルーミーの長所と短所がよくわかる。販売店に納期を尋ねると「ルーミーは4カ月から5カ月」「ソリオは6カ月」とのことであった。通常に比べると長いが、昨今の納期遅延の状況を踏まえると、半年以内ならむしろ短い部類に入る。
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