三菱RVR後継の新型ASXが欧州で誕生! 歴代RVRが持つ「ミツビシSUVならではの価値」とは?

■人気の高まりで各種バリエーションを展開

 デビュー当初は、自然吸気の2L直列4気筒DOHCエンジンを搭載していたが、人気が高まるにつれ、スポーツ性能やスペシャルティ機能を強化。

 1992年には、フロントグリルガードやオーバーフェンダー、背面スペアタイヤキャリアを装備した「スポーツギア」が登場。これは看板車であったパジェロ譲りのアクティブな走りと高い機能性を表現するものでもあった。

 翌1993年には、3ドアに改めたボディに前席の上部ルーフをそのままスライド格納できる電動オープンルーフを与えたユニークなタルガトップの「オープンギア」が登場。

 1994年のマイナーチェンジでは、三菱スポーツモデルの象徴であった4G63型2L直列4気筒ターボを搭載した「スーパーオープンエア」や「スーパースポーツギア」などの高性能モデルを追加。その特徴として、ボンネットに特徴となるインタークーラー用のエアインテークが追加されている。

■初代の人気を受けて2代目に生まれ変わるが……

1997年に登場した2代目三菱 RVR。初代の象徴的アイテムであったフロントガードバーは自主規制により非採用となったが、ガードバー風のシルエットを意識したフロントマスクとなった
1997年に登場した2代目三菱 RVR。初代の象徴的アイテムであったフロントガードバーは自主規制により非採用となったが、ガードバー風のシルエットを意識したフロントマスクとなった

 初代の成功もあり、1997年に登場した2代目RVRはキープコンセプト。基本的には、3代目となるシャリオグランディスのショートボディ版であるが、象徴的なアイテムだったフロントガードバーは非採用となり、代わりにガードバー風のアクセントがフロントマスクに取り入れられるようになった。

 これは歩行者との交通事故の際のリスク軽減の観点から自動車メーカー各社が自主規制を行ったことにある。第二世代のポイントは、シャリオグランディスが大型化され、より上級指向となったこと。その結果、より2車種の住み分けが明確化された。

 さらにホイールベースも拡大され、より広々としたキャビンを得ることが出来たうえ、インパネシフトの採用で前後席間の移動も可能となるなど、利便性も高まっていた。

 しかし、高級感を増したシャリオグランディスの好調が、RVRに影響を及ぼすことになる。1999年には、最上級グレードとなる「スーパーエクシード」を追加するなど、ラグジュアリー志向を意識するように。

 さらに一部グレードには、両側スライドドアを採用するなど、機能面とバリエーションが広がった一方、RVRのアクティブなスペシャルティワゴンという独自性は薄まっていく。

 その結果、RVブームの終焉と運命をともにするように、2002年に製造を終了。ヒットした初代と比べ、シャリオグランディスの陰に隠れてしまい、ヒット作となったRVRは2世代で終焉を迎えた。

■空白期間を経て復活した3代目

2010年2月に発売された3代目(現行型)三菱 RVR。およそ8年ぶりの復活となった
2010年2月に発売された3代目(現行型)三菱 RVR。およそ8年ぶりの復活となった

 時は流れ、2009年12月、三菱はRVRの名が復活することを発表。2007年のフランクフルトモーターショーで世界初披露したコンセプトカー「Concept-cX」をベースに生まれた新型コンパクトSUVに、「RVR」の名を与えることが明かされたのだ。

 これが2010年2月に発売された3代目となる現行型RVRである。基本構造は、ギャランフォルティスなどと共有で、日本仕様は自然吸気の1.8L直列4気筒DOHCエンジンを基本とし、トランスミッションもCVTのみに。手頃なサイズのシティクロスオーバーとして投入された。

 前期モデルではギャランフォルティスなどと共通のジェットファイターグリル顔であったが、2017年2月のフェイスリフトではダイナミックシールドマスクに進化。しかし、これは初期のダイナミックシールドマスクであり、2019年8月に最新仕様のダイナミックシールドマスクへと進化している。

 ただ、強力な競合車が存在することもあり、機能や装備、スペックに話題性のない新生RVRは、日本では苦戦を強いられることになった。

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