激戦コンパクトミニバンはどちらが優勢?! 新型シエンタ VS フリード
コンパクトミニバンの利便性はシートアレンジが豊富なところだ。なかでも3列目シートの使い勝手は注目ポイントである。
3列目の収納方法は、新型シエンタは2列目シート下部に、フリードは跳ね上げが採用された。シートの出し入れ時に「手間」がかかるのはシエンタだ。3列目シートを動かす際には、同時に2列目の格納が必要となる。ここはフリードに軍配。
しかし、コンパクトミニバンでは、そもそも3列目シートの使用頻度が少ない。これを念頭に置くと、3列目がダイブインにすることにより、荷室が広く使える利点は大きいと思う。また、跳ね上げ式の欠点である後方の視界の悪さも、シエンタでは払拭できるのだ。
両者一長一短だが、ミニバンで重視したい荷室の利便性ではシエンタがやや優勢に思える。また、限られた装備の中で、室内空間をいかに快適にするかを考えるユーザーが増えているようだ。
近年の猛暑から後席でも空調が欲しくなる。しかし、コンパクトミニバンではスペースや予算の兼ね合いでリアエアコンを装備しにくい。そのため、車内は広いが、車室後方には空調が行き届きにくくなる。
そこで、シエンタに用意されたサーキュレーターが活躍するだろう。こうした配慮では、新型シエンタに軍配を上げたい。
打倒シエンタ! 次期フリードに期待したい装備とは
次期フリードがシエンタに対抗するには、ミニバンの最重要ニーズである居住空間の向上がカギになるだろう。
フリードには、シエンタでは設定されていない6人乗りキャプテンシート仕様がある。ウォークスルーができて乗り降りもしやすく人気も高い。いっぽうで、小さな子供がいるユーザーの検討からは外れることが多い。乳幼児のお世話をするときは、ベンチシートの方が利便性は高いのだ。
キャプテンシートを左右にスライドさせて、ベンチシートのように使用できれば、ターゲットになるユーザー層は広がる。同様の機構はステップワゴンでも採用されているから、導入も可能だろう。また、ステップワゴン同様に3列目シートの床下収納が実装されれば、後方視界もスッキリする。再びシエンタの脅威となる存在になれるはずだ。
フリード改良の肝となるのは、目新しい装備よりも、空間へのこだわりになるだろう。
ブランドイメージがコンパクト化しているホンダだからこそ、次期フリードがどんな進化を遂げるのか楽しみである。シエンタとフリードの対決から、今後も目が離せない。
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