三菱の軽商用EV「ミニキャブ・ミーブ」が約1年半ぶりに一般販売再開! 日本品質の軽商用EVに活路はあるか?

■軽商用EVはミニキャブ・ミーブのみだが今後参入する動きは?

日本のEVベンチャーASFが車両を企画し、中国で生産される佐川急便専用の軽EVバン。従来の常識にとらわれた車両企画ではコストが高く、中国勢にその隙を狙われる状況になりつつある
日本のEVベンチャーASFが車両を企画し、中国で生産される佐川急便専用の軽EVバン。従来の常識にとらわれた車両企画ではコストが高く、中国勢にその隙を狙われる状況になりつつある

 現在、国内市場において軽商用EVバンを販売しているのは、ミニキャブ・ミーブのみだが、今後、各メーカーが参入してくるのだろうか?

 すでに大々的にニュースで流れているのでご存じの方も多いと思うが、佐川急便が2021年4月、自社の配送車両約7200台を2022年9月から順次、中国製EVに置き換えると発表している。

 この軽商用EVバンは、佐川急便と日本のベンチャー企業のASFが2020年6月から共同開発。中国・広西汽車が2021年9月から量産を開始し、2022年9月から佐川急便各営業所へ順次納車している。1充電あたりの航続距離は200km。同社はカーボンニュートラル実現のため、2030年までにすべての軽自動車の配送車両をEV化する方針だ。

 2021年12月20日、新型アトレー、ハイゼットカーゴの報道発表会にて、ダイハツ工業の取締役社長奥平総一郎氏は、軽EVについても言及している。

 「シリーズハイブリッドの利点を生かしたBEVを開発し、2025年までに投入していきたい。バッテリーやモーターはトヨタグループと協力して足並みを揃えて開発、共同調達をすることになると思うが、モーターに関しては軽自動車のEVはかなり低い容量のモーターで済むため、内製も視野に入れている。軽自動車の商用EVの価格に関しては補助金の含め100万台に抑えておかないと買っていただけないのではないか」とコメント。この軽商用EVは、すでに特許申請されており、e-アトレー、e-ハイゼットとして販売されるようだ。

 スズキは2021年7月、トヨタ、いすゞ、日野自動車、ダイハツが資本参加しているコマーシャル・ジャパン・パートナーシップ・テクノロジーズ社に加わっているが、同年11月、鈴木俊宏社長は2025年までに軽EVの販売を目指し、JFEスチールと共同で車体開発を進めていることを明らかにしており、価格についても「補助金含め実質100万円台に下げることが必要」と言及。2022年2月には、鈴木社長はエブリイをベースにしたBEVを今後数年以内に発売することを明らかにした。

 ホンダは2022年4月12日に行った「四輪ビジネスの取り組みに関する会見」のなかで、軽商用EVを2024年前半に日本で発売することを明らかにしている。価格は100万円台に抑え、搭載するリチウムイオン電池は、日産リーフの電池を供給している中国系エンビジョンAESCグループから調達する方針だ。

 ホンダ三部敏宏社長は「ガソリンエンジンの当社の軽自動車Nシリーズをベースに開発することで製造コストを下げ、100万円台の価格を実現したい」としている。

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 こうした状況のなか、ミニキャブ・ミーブの強みといえるのは、やはり10年以上のEV販売で培った信頼性と実績、先駆者としての経験と知見を活かしたサポート体制だろう。

 日本郵政グループや東京電力グループの実証実験へ参画し、郵便局の集配用EV車両の走行データや電池残量の推移などのデータを取得、分析して将来のEV性能の向上に取り組んでいるほか、約40社と実証実験および試験導入で合意。

 ユーザーが実際に感じるEV導入の困りごとを解決するソリューションや運用サポートサービスなどを行うなど、ミニキャブ・ミーブの強みは多岐に渡っている。

 最後に、ぜひとも、車中泊やキャンプ仕様の個人向けミニキャブ・ミーヴ・アウトドア仕様の販売もお願いしたい。

アウトドア仕様のミニキャブ・ミーブが2022年1月開催の東京オートサロンに出展。また三菱自動車が全国で開催している「PHEV FUTURE PARK」イベントに展示。今のところ販売の予定はないが、車中泊やキャンプなどのアウトドアブームというのもあり、反響次第によっては販売される可能性もある
アウトドア仕様のミニキャブ・ミーブが2022年1月開催の東京オートサロンに出展。また三菱自動車が全国で開催している「PHEV FUTURE PARK」イベントに展示。今のところ販売の予定はないが、車中泊やキャンプなどのアウトドアブームというのもあり、反響次第によっては販売される可能性もある
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