日産の新型EV アリアで1000km走ってわかった「充電ライフ」のリアル(それなりにイケますがいくつか注意点もアリ)

■何度も充電してみてわかった普通充電&急速充電のリアル

●CASE3 急速充電、実際の充電速度は?

大黒パーキングエリアには90kWの急速充電器が配置されている。2台まで90kWの速度が出るが、3台以上になると1台あたりの充電速度が落ちる
大黒パーキングエリアには90kWの急速充電器が配置されている。2台まで90kWの速度が出るが、3台以上になると1台あたりの充電速度が落ちる

 急速充電器の充電速度が実際にどの程度なのかも気になるところだ。現在一番普及している50kW充電器は、理論値だと30分で25kWhの電力を充電できるハズだ。

 ただ実際は、どの充電器でも充電できた電力は22kWh程度。理論値の約9割という結果になった。20kW充電器で充電した際に入った量は8.3kWhとこちらは理論値の約8割。

 大黒パーキングエリアにある90kW急速充電器でも検証を行った。理論上30分で45kWhは入るハズだが、結果は28.9kWhしか入らず(理論値の64%)。

 充電開始時のバッテリー残量は18%から(30分後に66%まで充電)と減りすぎてるワケでもなかったため、何か別の問題があるのだろうか? とにかく、90kW充電は期待するほど入らなかった。

 とはいえ、ロケでも問題が起きず、どこもかしこも充電器が埋まっている状況にも遭遇しなかった。今のところ心配は不要だろう(もちろん状況次第だが)。

●CASE4 普通充電、実際の充電速度は?

 家庭用6kW普通充電は工事費も高いため、一般的に普及しているのは3kWタイプのもの。なので3kWで充電をしてみた。2時間で50%→59%と9%ほど入った。66kWhの9%は5.94kWh。3kW充電だと2時間で6kWh入るはずなので、ほぼ理論値どおりの速度が出た。

 検証を通して、大半の人にとってはEVの充電や航続距離の不安は杞憂であることがわかった。最新のEVならさらに心配しなくていいハズだ。EV、アリだと思います。

■結論!

一.毎日充電する必要性はナシ!! 普段はガソリン車感覚で使えるハズ

一.充電待ちは10分くらいなら待て(※残りの充電時間は充電器のディスプレイに表示されている)。20分以上なら別の充電器を探すのもアリ。ただし、空いてるか調べてから移動だ

一.遠出の際の急速充電30分は休憩するのにちょうどイイ!! ウマいSAメシでも食うベシ!!

一.目的地周辺に充電器があるか、スマホアプリで事前にチェックだ。速度や空き情報、故障情報なども確認できるぞ

一.普通充電設備はやっぱりあったほうがベター

一.EVならではの静粛性や走りに魅力を感じるならアリだ!!

【番外コラム】ホンダeが愛車 自動車評論家 片岡英明直伝!! 「電費のいい走り方」

ホンダeを愛車とする片岡英明氏が電費のいい走り方を伝授!!
ホンダeを愛車とする片岡英明氏が電費のいい走り方を伝授!!

 バッテリーEVは瞬時にパワーとトルクが立ち上がるから、早めにアクセルを戻しても無理なく流れに乗ることができる。電費計、チャージ計を活用しながら走るのが電費を悪化させないコツだ。クルマの流れを読み、早めに減速を行う。

 EVが得意とする街中や郊外の道は、ワンペダルモードを使うのが鉄則。減速度をアクセル(とパドル)の加減で調整でき、ブレーキも踏めば充電を行う回生量も増やせる。回生ブレーキを上手に使えばブレーキパッドはほとんど減らない。赤信号からの再スタートはふんわり加速が基本だ。

 高速走行時は回生ブレーキを使いにくいし、上り坂が多ければ電費は悪化する。電力消費ゼロの空走状態(コースティング)を心がけて電費を稼ごう。登坂路などではトラックやバスなどの背後について空気抵抗を減らせば電費の悪化を抑えられる。100km/h以上で走ると電費には不利だ。

 また、電力消費が大きいエアコンは可能なら切り、シートヒーターなどを使う。

片岡氏クラスになると、電費が悪いスポーツタイヤを履いたホンダeでも8.0km/kWhの電費を記録する。さすがである
片岡氏クラスになると、電費が悪いスポーツタイヤを履いたホンダeでも8.0km/kWhの電費を記録する。さすがである
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