■ニュルのラップタイムを21秒短縮
さて、そんなR33型GT-Rとはどんなクルマか。
1995年1月に登場したR33型スカイラインGT-Rは、先代のR32型から全長は+130mm、ホイールベースは105mm延長された。その分ボディには補強が施され、剛性を向上させている。
ニュルブルクリンクのタイムアタックではR32型からラップタイムを21秒短縮。CMにも「マイナス21秒ロマン」というコピーが使われた。
搭載されたエンジンはRB26型2.6L直列6気筒DOHCツインターボでR32型と同じだが、ECUの16ビット化をはじめ、吸排気系、圧縮比、フリクションロスの見直しや改良により、最高出力こそ280psのままだが、最大トルクは37.5kg-mまでアップした。
グレードは標準車とVスペックそしてN1耐久レース参戦用のベース車両のVスペックN1の3種類。R32型ではVスペックとVスペックIIに採用されていたブレンボ製ブレーキシステムを全車標準装備としている。
R33型スカイラインGT-Rの標準車とVスペックの違いは、VスペックにはリアデフにアクティブLSDを採用し、これに合わせて4WDシステムにアテーサE-TSプロを採用していることだ。
1997年2月にマイナーチェンジを行い、外観ではフロントバンパーのデザイン変更をはじめ、ヘッドランプにプロジェクターキセノンヘッドランプを採用。さらにリアの右側後退灯がリアフォグランプに変更された。インテリアではドア内張りおよびシートを赤基調のものに変更している。
■中古車相場はR32を逆転。中でもオーテック記念モデルはバカ高!
そんなR33型の中古車事情だが、新車と違って中古車は“人気”という不確定要素が価格に大きな影響を与える。R32型そしてR33型スカイラインGT-Rのように「年式が古くても人気が高い」という理由で中古車相場は高くなってしまうのだ。
2022年6月時点のR32型、R33型スカイラインGT-Rの中古車の平均価格を見てみると、R32型は約747.9万円。対してR33型は約698.2万円とR33型のほうが高かったのだ。
7月もR32型スカイラインGT-Rの中古車の平均価格は約716.4万円。対してR33型は約706.7万円とその差は縮まり、翌8月にはR32型の平均価格が約690.1万円。R33型の平均価格が約729万円と平均価格が逆転した。
ところが現在はどうか。R32型スカイラインGT-Rの中古車は約77台流通していて、平均価格は約655万円。中古車の価格帯は約478万~約1,698万円。
一方、R33型スカイラインGT-Rの中古車は約47台流通していて、平均価格は約796.5万円。中古車の価格帯は約525万~約1780万円となり、R33型スカイラインGT-Rは不人気だから安い! とは言えなくなっているのだ。
中古車の価格帯分布を見てみると、R32型は700万円以下が約35台で、700万円以上が約42台。対するR33型は700万円以下が約7台、700万円以上が約40台と、R33型スカイラインGT-Rのほうが高額車は多くなっている。
こうなった理由の一つには、北米の25年ルール(※生産から25年以上経過したクルマは排ガスや安全基準を満たさなくても輸入できる)が関係している。
つまりR33型スカイラインGT-Rの低価格車はアメリカを中心とした海外に流出してしまい、日本国内のタマ数が不足、それがさらなる相場高騰を引き起こしているのだ。
ちなみにR33型スカイラインGT-Rで一番価値があるといわれるのは、オーテックジャパン40周年を記念した特別仕様車の4ドアセダンだ。現在、中古車は11台流通していて、平均価格は2ドアクーペを200万円以上上回る約952.3万円。価格帯は約850万~約1,500万円となっている。
スカイラインGT-Rは各世代に思い入れのあるファンがいる。本来ならば中古車は、そういった人の手が届くような価格帯で推移してもらいたいのだが、中古車市場がグローバル化した現在ではそういった期待は残念ながら、無理なのかもしれない。
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