虚偽申告のしっぺ返しは大きい!!
事故歴・修復歴があるクルマを避けるユーザーは多いため、査定額や売却金額は低くなる。では、事故歴や修復歴を隠したままクルマを売却した場合、どのようなリスクがあるのだろうか。
買主が買取後に売主から申告されていない不具合があると判断した場合、修理費などの損害賠償請求や、買主が売主に対して代金の減額を請求ができるという「契約不適合責任(旧瑕疵担保責任)」というものが存在する。
そのため、売買契約書の中に「契約後に査定時に確認できなかった不具合が見つかった場合は契約解除や損害賠償を請求できる」といった主旨の内容が記載されていることがある。
この記載があった場合、事故歴や修復歴が後から判明すると再査定を受けなくてはならず、大幅に減額された査定額が改めて提示されることがある。すでに車両を売却してお金を受け取っていても、契約解除や差額の返金を請求されることがあるということだ。
ただし、プロの査定士による査定によって買い取り時に不具合を見つけられずに契約をして、その後に新たなる不具合が見つかったとしても「不具合を見落とした業者側の過失であり売却者の責任ではない」という考え方もある。前述の売買契約書の記載は、不具合を見落とした場合に責任を追求されないための防御策であり、嘘の申告の抑止対策とも考えられる。
注意したいのは、正直に事故歴や修復歴を申告したにもかかわらず「後から申告されていない修復歴が見つかった」ということで、損害賠償などを求めてくる一部の悪徳業者が存在するということだ。
国民生活センターのサイトでは、売却後にオークション会場での点検で事故車と判明したために当初の半額での買取になると一方的に告げられたうえ、解約する場合は解約料を請求された事例が紹介されている。
ただし、事故歴・修復歴を隠して売却をした場合には、理不尽な賠償請求をされても隠したことに非があるため、泣き寝入りしなくてはならない場合もある。悪質業者に引っ掛かって泣き寝入りしないためにも虚偽申告はしないようにしよう。
いずれにせよ、トラブルに巻き込まれた場合は一度、国民生活センターや弁護士などに相談しよう。
事故歴・修復歴はどのように申告する?
事故を起こして修理したことは記憶していても、時間が経過していたり、修理をディーラーにお任せだったりする人のなかには、車体のどの部分を修理したのかわからないという人もいるかもしれない。
残念ながら車検証には修復歴の有無に関する記載はないため、基本的には前の所有者が把握していなければユーザーが自分で確認する方法がない。
しかし、車両に記録簿(整備手帳・メンテナンスノート)が保管してあれば、手がかりを見つけられることもある。車検証や取扱説明書と一緒にグローブボックスの中に入れられていることが多い記録簿には、定期点検の整備や修理の履歴が残されているからだ。
日本自動車査定協会の査定基準によると、定期的にメンテナンスを受けていた証明である記録簿と保証書・取扱説明書のすべてが揃っている場合、プラス査定になることもある。
そのため、中古車を購入する際には記録簿を見せてもらおう。点検とは関係のない部品が交換されていたりしたら事故を修復した可能性があるという目安になるからだ。
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