■最初の販売店訪問ではクルマよりも“人”を見よ!
地味な書類仕事も完了したならば、いよいよガサ入れ(販売店訪問)である。容疑者(目星を付けた中古車)とついに対面するのだ。
だが素人は、ここでつい「中古車そのもの」を見てしまう。
違うのだ。いや中古車の状態を見るのは当然だが、その前に「人を見る」のが、中古車捜査の鉄則だ。
Vol.01で「中古車のコンディションはたいてい『値段なり』」と言ったが、実は値段の前に、中古車のコンディションというのは「その販売店で働く人々の意識やレベル」と正の相関がある場合が多い。
要するにいい感じの人が売ってる中古車は、その品質もいい感じである場合が多い─ということだ。
そのため、「このお店の社長やスタッフたちの人柄や姿勢はどうなんだ?」ということをまずは観察するわけだが、ここで参考にしたいのは捜査課の刑事ではなく、「警察なんちゃら24時」にしばしば登場する「PC(パトカー)に乗って夜の街を巡回し、怪しいと感じた人物に職質をかける警ら担当」だ。
警ら担当の警察官が街中で観察しているのは「ちょっとした違和感」である。通行しているクルマや人物を観察し、「クルマの尾灯が片方切れている」「PCとすれ違った際に目を伏せた」等々の違和感を察知すると、彼らは職質をかけるのだ。
我々中古車刑事がガサ入れ(販売店訪問)をする際も、“違和感”に敏感になってみよう。
おしゃれを気取ったショールームなのに、妙に掃除が行き届いてなかったりしないか? スタッフの元気がいいのはよいことだが、あまりにも元気よすぎじゃないか?(いったい何の演技だ?) 店舗全体に“すさんだ感じ”が漂ってはいないか?
そんな違和感をあまりにも多く感知したならば、その店からは撤収を検討するのが勝利への近道である。
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