ヴォクシー納車が1.5カ月!? なんでKINTOはフツーに買うより納車早いのよ

■車種やグレードにも制約が!! 選べないオプションも一部アリ

写真のトヨタ ハリアーなど一部の車種はKINTOでの取り扱いがない。また、取り扱いのある車種においても、一部グレードやオプションは対象外となる
写真のトヨタ ハリアーなど一部の車種はKINTOでの取り扱いがない。また、取り扱いのある車種においても、一部グレードやオプションは対象外となる

 なぜKINTOは納期が短いのか。トヨタに尋ねると「KINTOは、販売店とは別のルートによる需給のシステムを構築・運用している」と返答された。

 販売店では以下の反応だった。「KINTOの納期が短いのは、購入を前提にしたお客様とは、別枠で注文を受けて納車しているからだ。そのためにKINTOでは、グレードやオプションの選択肢も、販売する仕様とは異なる。KINTOで契約できる車種も、状況によって変化する」

 確かにKINTOは、すべてのトヨタ車に適用されるわけではない。2022年10月中旬時点で、アルファード、ハリアー、ランドクルーザー(プラドを含む)、GR86、カムリ、カローラセダンなどは、取り扱い車種に含まれない。

 アルファードやランドクルーザーは、新車の受注も停止され、これに伴ってKINTOでも契約できない。

 販売店のコメントにあった通り、選択できるグレードやオプション装備も限られる。例えばノアの場合、選べるグレードは、ノーマルエンジン、ハイブリッドともに、X、S-G、S-Zのみだ。GやZは用意されない。オプションについてもデジタルキーは装着できない。

 以上のようにKINTOでは、選択肢に制限が加わるが、現金やローンに比べて大幅に狭まるわけではない。従ってKINTOの利用は、納期を短縮する有効な手段になり得る。

 KINTOの短い納期について販売店に尋ねると、以下のように返答された。

 「今は納期が幅広い車種にわたって遅れている。そこを考えると、KINTOは優遇されている。しかも納期の遅れは、既に1年以上にわたって深刻な状態が続いている。正直にいえば、KINTOの優遇は販売店にとって愉快ではない」

 確かにノア&ヴォクシーハイブリッドのように、販売店の納期は1年近くを要しながら、KINTOを使うと1.5~2か月に収まるのは格差が激しすぎる。

 おそらくトヨタは、クルマの販売低迷を打開する有効な対策として、KINTOを何としても成功させたいのだろう。そのために、未成年者も使える任意保険料を含めながら、利用料金を割安に抑えているのだ。

■契約前に確認を!! ライフスタイルに合わないひとも

 料金を割安に設定するのは好ましいが、納期まで優遇すると話は変わる。なぜなら、KINTOを利用したくても、自分の使い方に合わないユーザーもいるからだ。

 例えばKINTOでは、リース期間が満了した車両を再利用するため、ペットの同乗や車内での喫煙は禁止されている。違反すると車両を返却する時に、元の状態に戻すための費用を請求されてしまう。

 走行距離も、1か月当たり1500km以下とされ、これを超えると1km当たり11円(レクサスは22円)の超過料金を請求される。従ってKINTOは、クルマをフルに活用するユーザーには適さない。

 カーリースだから、契約期間が満了したら返却せねばならず、買い取りはできない。本当のクルマ好きには、これを「悲しい別れ」と感じる人もおられるだろう。「愛車」は文字通りの存在だから、最期まで一緒に過ごしたいと考えるユーザーも多い。

 KINTOは注目すべきクルマの利用方法だが、そこを過度に優遇すると、自動車メーカーや販売会社にとって最も大切な「愛車」の価値観を見失うだろう。

【画像ギャラリー】返却は悲しい!? それとも割り切れる!? 超速納期のサブスクカーリース「KINTO」のメリット&デメリット(12枚)画像ギャラリー

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