多くの人から愛されてこんなに増えちゃいました! 大家族ムーヴファミリーのすべて

■ラテとコンテが誕生した中興期

成熟の機運が高まるスモールカー市場をリードした3代目
成熟の機運が高まるスモールカー市場をリードした3代目

 新たなミレニアムが始まり、クルマに対するユーザーのニーズはさらなる多様化を極めているなか、3代目は2002年10月に登場。スタイルは先代と比べてガラッと変わり、台形シルエットをベースにホイールコンシャスな造形と横に広がりを持たせたフロントデザインによって安定感と低重心感が表現された。

 もちろん、標準車&カスタムの2枚看板は健在。標準車は「生活革新!エキサイティングミニバン」を、カスタムは「モバイル世代のラジカルボックス」をそれぞれコンセプトに開発された。

 ボディサイズに制約があるなか、革新的なパッケージングによって、室内長を1920mm、室内幅は従来型比プラス80mmの1300mmを確保。前後乗員間隔は940mmとし、前後左右すべてにゆとりのある室内空間を実現した。すべての世代に快適な使い勝手を提供するべく、実用装備はさらに充実化が図られている。

女性目線の装備・機能・収納が充実したムーヴラテ
女性目線の装備・機能・収納が充実したムーヴラテ

 この3代目をベースに「おおらか新スペース」というコンセプトを掲げて開発されたのが「ムーヴラテ」だ。メインターゲットを「ミス&ミセス」に設定し、ムーヴの基本性能をさらに進化させることで、彼女たちの生活に潤いと豊かさを与えることを目指している。

 肩の力を抜いたラインと「まる」をバランスよく組み合わせ、おおらかでほのぼのとしたショートノーズ・ロングキャビンスタイルを特徴とし、車内にはシルバーに塗装された楕円型インパネクラスターや大きくて見やすい丸型一眼メーターなど「まる」を基調としたデザインを多用している。

 見た目だけでなく、シートバックティッシュポケット、オートオープン式のワンプッシュ式前席カップホルダー、プラズマクラスター付オートエアコン、全面UVカットガラス、照明付大型バニティミラーといった女性の考える「あったらいいな」をふんだんに盛り込むなど、ミス&ミセスをハッピーな気持ちにさせることに注力していた。

 ちなみに「ラテ」とは、イタリア語で「ミルク」の意味。コーヒーや料理にミルクを加えると豊かでコクのある味わいになるように、生活に潤いと豊かさを与えるクルマでありたいという思いを込めたという。

 2005年6月には、カジュアルなムーヴラテよりもワンランク上のエレガントさを求めるユーザーをターゲットにした派生の派生として「COOL」「COOL TURBO」が登場。アルミホイールやメッキパーツを採用し、きらめき感のあるスタイルに仕上げられていた。

最新技術を集結してレベルアップを図った4代目
最新技術を集結してレベルアップを図った4代目

 2006年10月に登場した4代目モデルは、プラットフォームからエンジンまで一新。「わたしのかろやかオールマイティ」をコンセプトにしたムーヴと、「上質・快適移動体(ムーヴィング・アメニティ)」をコンセプトとしたカスタムをラインアップする。

 初代で確立したバンパー上部からフロントピラーに繋がるキャラクターラインをより際立たせ、ムーヴのアイデンティティである大きなキャビンスペースとコンパクトノーズのコントラストを明快に表現。

 ムーヴは流れるような美しいシルエットに、ウェッジ基調のサイドウインドウグラフィック、リヤブリスターフェンダー、ヘッドランプ形状を組み合わせることで、軽快な動きを感じさせるエモーショナルスタイルとしていた。

 一方カスタムは、マッシブで力強く、上質感のあるデザインを追求。4灯タイプのプロジェクター式ヘッドランプや大型フロントグリルによってカスタムならではの精悍な表情を演出するとともに、専用のエアロパーツを装着してワイドで安定感あふれるスタイルとしていた。

 プラットフォームを一新したことで、2490mmの超ロングホイールベースとし、コンパクトなエンジンルームによって実現した超進化革新パッケージも相まって、2110mmという軽自動車最大級の室内長を実現。室内幅もこれまた軽自動車最大級の1350mmとなり、車内は快適な広々ラウンジ空間としていた。

 ロングホイールベース化と、基本設計を一新したサスペンションの効果も相まって優れた操縦安定性を実現。さらに、脇見や居眠り運転による衝突事故に効果的なプリクラッシュセーフティシステムや車線逸脱警報機能を軽自動車として初採用したのをはじめ、レーダークルーズコントロールも搭載するなど、先進的な軽自動車としても注目を集めた。

自分らしくいられる”居心地のよさ”をテーマにしたムーヴコンテは2008年にデビュー
自分らしくいられる”居心地のよさ”をテーマにしたムーヴコンテは2008年にデビュー

 4代目をベースにした派生車といえば「ムーヴコンテ」である。「スクエア+(プラス)」をデザインコンセプトに、小刻みな造形や加飾を廃した大胆な面構成とすることで、クリーンでモダンなスクエアスタイルを特徴としていた。

 ムーヴで採用した最新のプラットフォーム&パワートレーンを継承していたことから、走り、安全性、環境性能は軽自動車クラストップレベルの実力を有しており、そのうえでスタイルに遊び心をプラスし、車内はさりげないおしゃれ感を演出することで、「ほかとは違う」物を求める人の琴線に触れるクルマに仕上げられていた。

 コンテには「ザ・カスタム」をデザインコンセプトに、都会的な艶やかさと押し出し感の強さを追求したカスタムが設定されていた。もはや、ダイハツの軽自動車は派生車といえども標準車とカスタムをセットにして売るというのがセオリーとして確立していたわけだ。

 コンテとは、「Continuity」の日本的略称で、台本、コンテの意味。自分らしい生活を描くクルマを表現。さらに「Comfortable Interior」の略でもあり、乗る人の心地よさを追求したクルマという意味もある。

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