スマートフォンのカメラの進化で、人々にとって”写真を撮る”ことのハードルはグッと下がった。
ならば、被写体がクルマの場合はどうだろう。これまで数々のクルマ撮影を行なってきた我々自動車媒体が、自分も愛車をキレイに撮りたいという人に向けて、クルマ撮影における基本的なことについてレポートしていこう。
文/フォッケウルフ
写真/フォッケウルフ
■スマホの進化で人類総カメラマン時代到来!
オーナーにとって愛車は大切な宝物だ。特にこだわりをもって選んだとか、手に入れたあと自分のセンスでカスタマイズをしたクルマとなれば、その想いはかなり強いはず。そんな自慢の愛車をほかの人に見せたい、お披露目したいと考える人も少なくない。
かつては深夜の高速道路のPAに集まったり、オーナーズミーティングに参加したり、さらには専門誌の投稿欄に写真を送ったりすることが愛車をお披露目する常套手段だったが、昨今はツイッターやインスタグラム、フェイスブックといったSNSが発達したおかげで、全世界に向けて自慢の愛車をお披露目できるようようなった。
しかも、今どきはスマートフォンのカメラ機能がかなり進化していて、愛車を撮影するためにわざわざ仰々しいカメラを用意する必要はない。しかし、ただ撮るだけなら誰にでもできるが、見た人を感嘆させるような写真を撮ろうとすると、これが意外に難しい。そこで、クルマをキレイにカッコよく撮るための方法について紹介していこう。
基本的に押さえておくべきことは、つぎの7つだ。
①ローアングルで撮る
②クルマから離れて撮る
③構図を意識する
④クルマの角度は7:3が基本
⑤ディテールを強調する
⑥光を上手に利用する
⑦被写体を置く場所を考える
■アングルや被写体との距離で違いを出す!
以下、基本を押さえつつ、愛車をキレイに撮る方法を具体的に見ていこう。
●普段見ている風景とは違うアングルで新鮮味を演出する
クルマの種類にもよるが、おおむねどんなクルマでも低い位置から撮影すると迫力が演出できる。立った状態よりもしゃがんだ態勢になって、「目線と違う高さ」を意識することが重要だ。
目線低くすることで、普段見ている世界とは少し違った雰囲気になるというのがアングルを低くする理由だ。同じ理由で、目線よりも高い位置で撮るのというのも有効だ。
●距離をおいて撮るとディテールがキレイに表現できる
クルマを撮るうえで重要なのは、形をキレイに写すこと。レンズの形状や特性上、クルマに近づいて撮影すると「歪み」が発生してしまうことがある。
とくにレンズが広角になればなるほど、被写体に近づけば近づくほど、歪みが大きくなってしまう。どの程度の距離が適切かは、クルマのボディサイズやフォルムによるが、おおむね5m程度離れて撮ってみるといいだろう。
●クルマ雑誌の撮影現場でよく使う「シチサン」が王道
撮影するときには、「7:3」の角度を意識するといいだろう。自動車メディア業界では「シチサン」と言われ、クルマのフロントまわりが3割、サイド部分が7割が見えるように写す王道の角度であり、クルマのスタイルがキレイに見える。まずはシチサンを基本に撮影をはじめて、よりカッコよく見える角度を模索するといいだろう。
●愛車の気に入っている部分をクローズアップしてみる
全景はもちろん、細部にもあなたが思う愛車の自慢がたくさんあると思う。たとえばエンブレムとか、ライト類、美しい流線を描くボディのラインなどなど、そういった部分に焦点を当てて撮影してみるのもありだ。全体を無理に写さずとも、愛車の魅力を表現することができる。
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