■アメリカにおける人気車カテゴリーの推移
かつてステーションワゴンが“ママのクルマ”とされたアメリカだが、いまでは3列シートを備えるクロスオーバーSUVが“ママのクルマ”となっている。
ハイランダーは3列シートを備える仕様を用意し、“カムリのSUV版”ともいえる立ち位置でファミリーカーとして人気の高いモデルとなっており、街なかでもよく見かけることができた。
販売が激戦となっているクラスなので、他メーカーの同クラス車も多く見かけたが、やはりハイランダーを見かける機会が圧倒的に多かった。
ママのクルマが3列シートを備えるクロスオーバーSUVになる前は、日本同様にミニバン人気も高かった。
しかしその後“生活臭が強すぎる”として敬遠されるようになり、いまではミニバン自体はトヨタ シエナ、ホンダ オデッセイ、クライスラー パシフィカそして起亜 カーニバルとアメリカ国内でのラインナップ数も限られている。
そのなかでシエナは約5万台(2022年1月から9月)販売し、2位のオデッセイに2万台ほど差をつけ圧勝状態でトップとなっている。そのため、南カリフォルニアの街なかでもミニバンといえばシエナばかりである。
とくに2020年にデビューした現行型シエナを見かける機会が多い。見た目もさることながら、ハイブリッドのみのラインナップというのもエコ志向の高い南カリフォルニアでは受けているのかもしれない。
■アメリカのお家芸「フルサイズピックアップトラック」に斬り込む日本車
アメリカ国内でトヨタが販売ナンバー1なのだから、街なかで見かけるのもトヨタ車ばかりというのは当たり前といえば当たり前なのだが、そのトヨタでもなかなか攻略できないカテゴリーがある。それがフルサイズピックアップトラックである。
その下となるコンパクトピックアップトラッククラスでは、南カリフォルニアで見る限りはトヨタ タコマや日産 フロンティアなど日本勢の存在感がより強い。
だが、フルサイズピックアップトラックは、クルマの優劣という前に“アメリカの魂”などともいわれるクラスなので、シボレー・シルバラードやフォードFシリーズ、ラム・ピックアップトラックなどとの間には“越えられない大きな壁”があるといった話も聞いた。
トヨタは2022年にフルサイズピックアップトラックの“タンドラ”の新型を発表した。それまでラインナップしていたV8を廃止し、3.5LV6ツインターボと3.5LV6ツインターボベースのハイブリッドユニットをラインナップした。
すでに街なかでも新型は走っているのだが、バックミラーやドアミラー越しに見えるタンドラは、アメリカンブランドの同クラスピックアップトラック並みかそれ以上の存在感を見せている。
ハイブリッドをラインナップするあたりも、東西、とくに西海岸地域ではウケも良さそうなので、販売面での期待値は高まっているといえよう。
ただ、このフルサイズピックアップトラックより難関なカテゴリーがある。それがフルサイズピックアップトラックベースがメインとなる、伝統的なフルサイズSUVクラスである。
シボレー タホ(サバーバン)、フォード エクスペディション、そしてピックアップトラックベースではないものの、ジープ グランドチェロキー、同ワゴニアなどが該当するといえよう。
トヨタもタンドラベースのセコイアというモデルのラインナップを続けており、新型タンドラベースの新型セコイアもすでに発表している(滞在中はまだ未発売)。
日産もアルマーダというフルサイズSUVをラインナップしている。アルマーダは2021年に大幅改良を行い、モデル自体は古いものの人気が盛り返している様子。
コメント
コメントの使い方アメリカ在住です。
テルライドは確かに人気がありますが、テルライド/パリセード(兄弟車)が該当するクラスはセコイアやアルマーダではなく、ハイランダーや日産パスファインダー、ホンダパイロットなどです。
そもそも現代/起亜はフルサイズピックアップをラインナップしていないですし、そのSUVバージョンももちろんありません。