北米で加熱するフルサイズSUV人気!! ハイブリッド専用の「トヨタセコイア」のライバルはなんと韓国車!?

■アメリカでも「韓国系モデル」の台頭が

ベニスビーチの駐車場にいたヒョンデ パリセード
ベニスビーチの駐車場にいたヒョンデ パリセード

 しかし、このクラスでいま注目されているのは韓国系モデルなのである。いずれもモノコックとなるもののヒョンデブランドでパリセード、そしてその兄弟車の起亜テルライドがラインナップされているのだが、南カリフォルニアでまさに大ブレイクしているのである。

 2022年1月から9月までの累計販売台数をみると、セコイアは先代のモデルレンジが長く、新型への移行期だったので489台、よく見たというアルマーダでも8629台なのに対し、テルライドは7万2296台、パリセードは6万3756台販売。

 もちろんこのカテゴリーでは上述のとおり、トヨタハイランダーがトップセールスを記録しているが、それでも韓国車勢が進出してきており、しっかりと爪痕を遺している。

 韓国系2車はボディサイズがやや小さく、セコイアやタンドラ、そしてアメリカンブランドのフルサイズSUVとキャラが完全に被るとは言えない。

 だが、ここ数年でタホやサバーバン、グランドチェロキーは新型となり、ワゴニアも復活しており、これらに合わせたモデル投入のタイミングで相乗効果にうまく乗ったことも大きかったのかもしれない。

 韓国系ではパリセードやテルライドのような、“高付加価値車”がここまでアメリカで売れることはおそらく初めてであり、その面では日本メーカーにもプレッシャーになっているようである。

 新型セコイアはハイブリッドのみを搭載するので、今後本格的に販売されていくなかで、どこまで先行する韓国勢を追撃できるのかはアメリカ新車販売での見もののひとつかもしれない。

 日本では、“鎖国”を強化してきたコロナ禍だが、韓国勢は筆者がASEAN諸国でも見てきたように、新しいリーダーの下、各市場でのモデルラインナップや販売方針の再構築をアメリカでも進めていた。

この動きが日本メーカーにも今後いい刺激となり、韓国メーカーと切磋琢磨し、コロナ禍の3年を後々“失われた3年”などと言われないようにしてもらいたい。

(編集部注)本文中に出てきた車種の価格帯とエンジン排気量を以下に示します。本稿では従来のSUVヒエラルキーと各車のライバル関係に新しい動きがある、という点を考慮した記述が中心となっておりますが、多角的な比較検討の際の参考にしていただければと考え、付記いたします。

ヒョンデサンタフェ $28,200~$42,050 2.4,直4
トヨタハイランダー $41,820~$43,220 2.5L,直4 or 2.4L,直4ターボ
ヒョンデバリセード $35,250~$49,200 3.8L,V6
起亜テルライド   $35,690~$52,785 3.8L,V6
トヨタセコイア   $58,300~$70,900 3.5L,V6+モーター

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