電制シフターでは誤操作でミッションが壊れることはまずない
機械的に繋がっていない電制シフターは、ギアセレクトができる機構があればセレクターはどのようなかたちでも問題ないため、各メーカーから様々なギアセレクターが登場している。
プリウスをはじめとするトヨタ車や日産車などでは、セレクトレバー式のギアセレクターが採用されている。上下や左右に動かしてシフトポジションを選び、手を離すと元の位置へと戻る構造で、シフトポジションはメーター内のデジタル表示で把握する(セレクトレバーに表示されるものもある)。
また、ホンダ車では、プッシュ式のギアセレクターが採用されているモデルがある。NSX(2016~2022年式)、レジェンド(2015~2022年式)、インサイト(2018年式~)、ステップワゴン(2022年式~)は、プッシュ式セレクターだ。
ほかにも、スバル ソルテラ、トヨタ bZ4Xや、シトロエン ベルランゴ、プジョー リフターなどでは、ダイヤル式セレクターを採用している。
これらの電制シフターも、ロックピンの構造自体は従来のシフトと変わらない。
だが、ロックピンの作動が電制化されているため、ドライバーの誤操作で走行中(完全停止前)にPレンジに入ったとしても、システムが「誤操作」と判断し、走行を続けたまま誤操作を知らせるアラームが鳴るなどで、ギアがロックされることはない。
プッシュ式電制シフターの場合、仮にPレンジとRレンジ、Dレンジのスイッチを同時押しするような誤操作をしても、システム側がシフトチェンジ信号を受け付けないようだ。
ちなみにパワートレイン開発の現役エンジニアに取材したところ、今のクルマでシフトの誤操作をしたとしても、ロックピン破損はまずない、とのことだった。自動車メーカーでは、想定されるあらゆる操作に対して、対策をしているようだ。
それでもPやR操作は停止時に行うべき!
ちなみに、停車をしたあとにサイドブレーキを引かずにPレンジへ入れると、クルマが前後へ若干動くことがあるが、これはロックギアに遊びがあるため。電制シフター車でも機構的には同じで、Pレンジのみの操作では、クルマを前後に押すか引くかをすれば、若干(2~3センチ)は動きます。
「PやRは完全停止したあとに操作」だとわかっていても、うっかり間違えてしまうことは誰にでもあります。そのうっかりで高額な修理代となるミッションの破損が起きないよう、自動車メーカーが対策をしているわけだが、ただ、機械が賢くなりすぎることは、人間をダメにしていくことでもある。
電制シフターによって、ドライバーが誤操作をしてもすぐに壊れないようにはなっているが、推奨されるルール通りに扱うよう心掛けたいものだ。
【画像ギャラリー】シフトバイワイヤ化で壊れなくなったけどやっちゃダメ!! 走行中に電制シフトをPやRに入れるとどうなる!?(4枚)画像ギャラリー
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