■RS追加でもヤリスには敵わず!? 売れないワケは他にもあった
ある意味マイチェンのキモである「RS」は、先代RSと異なり、パワートレインはハイブリッドのみ。当然MTもない。ハイブリッドの出力も他のグレードと同じだ(!)。
違いはドライブモードの設定で、「エコノミー」「ノーマル」「スポーツ」の3つから選ぶことができる。また、パドルシフトの操作で減速Gを4段階に調整可能。サスペンションもRS専用にチューニングされている。
ただ全体としては、決して「レーシングスポーツ」な方向性ではなく、ホンダの言う「ロード・セーリング」を志向している。
こんなことでフィットは巻き返せるのだろうか!? ズバリ、ムリである。
しかし私は思う。フィットはマイチェン前から十分いいクルマだった。そして今度のマイチェンで、よりいいクルマになった。いいクルマと売れるクルマは、決してイコールじゃない。ホンダは販売の巻き返しをあえて捨て、よりいいクルマにすることに専念したのだ!
2年前には私も、「新型フィットは、顔が大人しすぎるから売れないのか?」と思ったが、それは見当違いだった。いまさら猛獣顔にしたところで売れ行きは回復しない。ホンダはそれがよくわかっていて、あえて、よりオーソドックスなルックスに変更したのだ。
では、なぜフィットは売れないのか!?
それは、すでにさんざん言われていることだが、「N-BOXが強すぎるから」。これに尽きるのだろう。
コンパクトハッチバックは、軽自動車のすぐ上に位置するカテゴリーで、軽に最も食われやすい。N-BOXの大ヒットが始まるのとほぼ同時に、フィットの凋落は始まっている。N-BOXが売れ続けている限り、フィットが販売の首位争いに復帰することはないのだ!
その証拠にと言ってはなんだが、フィットベースのSUVであるヴェゼルはよく売れている。カテゴリーが違えば、シンプルなデザインでも十分商品力はあるのだ。
フィットに求められる変化。それはN-BOXとの差別化、つまり高級化しかないだろう。次期フィットは、ノートオーラ的な方向性で臨めば、勝機があるかもしれない。
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