燃費はタントが1番!! 比較しておきたい運転性能の行方は?
●動力性能&エンジンフィーリング比較
売れ筋のノーマルエンジンで比べた場合、実用回転域の駆動力はタントが少し高い。加速が滑らかで洗練されているのは、少しパワー不足だがN-BOXだ。スペーシアは、ライバル2車に比べると、実用回転域の駆動力が物足りない。
*評価の順位
・No.1:N-BOX
・No.2:タント
・No.3:スペーシア
●走行安定性&操舵フィーリング比較
タントは全高が1700mmを超える軽自動車としては、操舵感の鈍さを抑えて車両の向きが自然に変わる。走行安定性も良好だ。スペーシアは操舵感は鈍めだが、ボディが軽く、背の高さをあまり意識させない。N-BOXは直進安定性は優れているが、カーブではボディが大きめに傾く。
*評価の順位
・No.1:タント
・No.2:スペーシア
・No.3:N-BOX
●乗り心地&静粛性比較
乗り心地と静粛性は、N-BOXが最も優れている。ボディ剛性を高め、遮音も入念に行ったから、乗り心地が快適でノイズも小さい。次はタントで、時速40km以下の低速域では、路上の細かなデコボコを伝えやすい。それでも発売直後に比べると、角が丸い乗り心地になった。スペーシアは低速域での粗さが気になる。
*評価の順位
・No.1:N-BOX
・No.2:タント
・No.3:スペーシア
●燃費性能比較
売れ筋になる標準ボディのノーマルエンジン搭載車(2WD)でWLTCモード燃費を比べると、タントファンクロスが21.9km/Lだ。N-BOXカスタムLと、スペーシアギアハイブリッドXZは、両車ともに21.2km/Lで等しい。タントの燃費性能が若干ではあるが、ライバル車よりも優れている。
*評価の順位
・No.1:タント
・No.2:N-BOX/スペーシア
気になる納期と割安度は? 注目しておきたいグレードもチェック!!
●注目グレードと割安度比較
タントの買い得&注目グレードは、新たに加わったノーマルエンジンを搭載する2WDのファンクロス(172万1500円)だ。スペーシアはSUV風のギアハイブリッドXZ(172万5900円)になる。N-BOXはエアロパーツを備えたカスタムL(178万9700円)としたい。
このように全車の買い得&注目グレードは、すべて170~180万円に集中する。この3車がスーパーハイトワゴンの代表として、厳しい価格競争を展開しているからだ。
最も買い得なのはスペーシアギアハイブリッドXZだ。運転支援機能のアダプティブクルーズコントロール、エアコンの冷気を後席に送るスリムサーキュレーターなどを標準装着して、価格は割安だ。
N-BOXカスタムLは、価格の割に内外装を上質に仕上げた。乗り心地なども含めると買い得感が強い。
タントは改良を受けて、シートアレンジを簡略化したり、主力グレードに標準装着されていた運転席ロングスライドシートをオプションに変更している。以前よりも少し割高感を強めた。
*評価の順位
・No.1:スペーシア
・No.2:N-BOX
・No.3:タント
●総合評価
各車種ともに明確な個性を備える。タントは左側のワイドに開くスライドドアが特徴で、後席の座り心地や走行安定性も良い。その代わり今は価格が少し割高になった。N-BOXは上質な内装、乗り心地、静粛性が特徴だ。車内も広くファミリーカーとしても使えるが、後席の座り心地はもう少し快適にしたい。
スペーシアは、収納設備が豊富で雰囲気が馴染みやすい。上質感はいま一歩だが、価格の割に機能や装備を充実させて買い得な印象だ。いずれの車種も一長一短で、激しい競争を展開している。
なお販売店に納期を尋ねると、タントとスペーシアは約3カ月で、N-BOXは6カ月以上であった。タントとスペーシアは今の状況を考えると短めだが、急に延びることもあるから、購入するなら早めに商談を開始したい。
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