スポーツカー以上ってマジか! 風穴を開けろ!! 新型プリウス0-100kmh6.7秒、233馬力の衝撃

0-100km/h加速の6.7秒は、スポーツカーレベル

 では、新型プリウスが達成している0-100km/h加速の6.7秒は、どの程度のレベルなのでしょうか。一般には、0-100km/h加速が10秒を切れば、多くのドライバーは十分な加速感を感じ、動力性能に不満が出ないレベルとされています。7秒を切ればスポーツカーのレベルとされ、さらに5秒を切るようなスポーツカーではドライバーにそれなりの運転技量が求められます。

 0-100km/h加速6.7秒は、スポーツカーレベルであり、GR86に0.4秒差まで肉薄するタイムです。国産車で最も速いのは、日産の「R35型GT-R NISMO」(2018年)3.8L V6ターボエンジンで最高出力600PS、タイムは2.8秒ですが、比較的近い発進加速を示す国産車としては、次のようなモデルがあります(※各車の0~100km/h加速タイムは各メーカー広報サイト記載の記述より引用)。

・ホンダFK2「シビック タイプR」(2015年)
2.0L VTECターボ、最高出力310PS:0-100km/h 加速5.7秒
・トヨタ「GR86」(2021年)
2.4L水平対向NAエンジン、最高出力235PS:6.3秒
・トヨタ「GR86」(2014年)
2.0L水平対向NAエンジン、最高出力207PS:7.4秒

0-100km/h加速2.8秒の国内最速の記録を持つ日産「R35型GT-R NISMO」。3.8L V6ターボエンジンで最高出力600PSを発揮
0-100km/h加速2.8秒の国内最速の記録を持つ日産「R35型GT-R NISMO」。3.8L V6ターボエンジンで最高出力600PSを発揮

国内では低迷のPHEVだが、欧州では普及が進む

 プラグインハイブリッド車の魅力は、エンジン+モーターによる力強い走りとハイブリッド車を上回る燃費です。バッテリーEVに対するメリットは、電欠(バッテリー上がり)による走行不能になる心配がないことであり、ハイブリッド車とバッテリーEVの中間的な性格、バッテリーEVに進むまでの過渡的なモデルと位置づけられています。ただし、ハイブリッド車に対して駆動電池を10倍程度に増量するぶん、車両価格が100万程度は高価になります。

 日本では、プラグインハイブリッド車に対してCEV(クリーンエネルギー自動車)補助金・インフラ導入補助金(最大55万円)+エコカー減税(約3万円)+クリーン化特例(約2.7万円)のトータル約60万円の優遇と、地方自治体補助金(+α)を利用することができますが、それでもやはりハイブリッド車よりも高価であり、充電インフラの整備も遅れていることから、普及には至っておらず、このプリウスのほか、トヨタ「RAV4 PHV」、「ハリアー(Zグレード)」、「レクサスNX450h+」、三菱の「エクリプスクロスPHEV」と「アウトランダーPHEV」と、モデルの数も限られています。販売台数も、現在最も売れている三菱アウトランダーPHEVでも、2022年上期実績で10749台と、十分なレベルとはいえません。

 ただ欧州では、プラグインハイブリッド車が積極的に市場に投入されています。その背景には、欧州で展開されている環境規制に対するインセンティブ制度があります。これは、プラグインハイブリッド車に対してエンジン走行時のCO2排出量を「(EV航続距離+25km)÷25」という削減係数で割った数値をCO2排出量とするように定めたもの。例えば、EV航続距離が75kmとすると、CO2量はガソリン走行時CO2の1/4となるわけです。この制度を利用して、コストアップを比較的吸収しやすいハイクラスの乗用車やSUVなどが、積極的にプラグインハイブリッド化を進めているのです。

2021年に登場した三菱「アウトランダーPHEV」。先代にはボディを共用したガソリン仕様もあったが、現行型はプラグインハイブリッド専用モデルとなった
2021年に登場した三菱「アウトランダーPHEV」。先代にはボディを共用したガソリン仕様もあったが、現行型はプラグインハイブリッド専用モデルとなった

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