クラウンリボーンから考える「コンセプトチェンジしたクルマたち」4選

新たなモデルへと生まれ変わったクルマたち

●マツダデミオ

初代デミオは、車中泊ができ、価格が安いコンパクトワゴンとして、人気を博した。マツダ経営の大ピンチを救った救世主である
初代デミオは、車中泊ができ、価格が安いコンパクトワゴンとして、人気を博した。マツダ経営の大ピンチを救った救世主である

 マツダのコンパクトカーであるデミオは2代目モデル以降、コンパクトカーという点以外コンセプトが大きく変わり続けている。

 1996年登場の初代モデルはマツダが大ピンチに陥っていた時期のモデルということもあり、クルマ自体に目立つところはなかった。

 しかし、そのコンセプトは「車中泊が可能で、自転車のようなものも積めるコンパクトワゴン」という新鮮なもので、初代デミオは価格の安さもあり大ヒットし、苦しかったマツダの経営に大きく貢献した。

 2002年登場の2代目モデルはキープコンセプトながら、全体的に初代デミオに欠けていたクルマとしての質を大幅に向上した。2007年登場の3代目モデルは初代と2代目モデルのコンパクトワゴンから、「前席中心でスペースは重視しないスタイリッシュなコンパクトカー」に移行。

 3代目デミオは軽量化により軽快に走るコンパクトカーではあったものの、乗り心地やインテリアの質感といったクルマの質は2代目モデルに届いていなかったというのが率直な印象だった。しかし、3代目デミオもリーズナブルな価格などを武器に販売は堅調だった。

 2014年登場の現行型4代目モデルは「広さを重視しない」という点は3代目と同じながら、世界最小級となる1.5リッターディーゼルエンジンの搭載やインテリアの質感の向上などにより、「プライドを持って乗れるクラスレスなコンパクトカー」というコンセプトになった。

 4代目デミオは途中車名をマツダ2に変えるなど、改良を繰り返しながら登場から8年が経った今も販売はまずまずで、マツダのエントリーカーという重要な役割を担っている。

●スバル5代目レガシィ

 レオーネの後継車として1989年に初代モデルが登場したレガシィは歴代スバルの大黒柱となるモデルである。

 レガシィは4代目モデルまで2リッターターボ+4WDを中心としたパワートレーンなどを武器に、日本では「普通の人が買える上限(300万円前後)となる質の高いクルマ」というコンセプトを一貫。特に2003年登場の4代目モデルはアウディのような欧州プレミアムブランドが決して遠くないポジションにまで成長した。

 しかし、4代目レガシィはスタイリッシュな代わりにリアシートが広いクルマではなかったことが災いし、スバルのメインマーケットとなる北米での販売が伸び悩んだ。

 という背景もあり2009年登場の5代目モデルは乗ればレガシィとして納得できるクルマながら、北米をメインターゲットにボディサイズを大幅に拡大しがら価格もリーズナブルなものとした反面、インテリアの質感が低下するなど、4代目レガシィとはまったく違う「質というより量」というモデルになった。

2009年に登場した5代目レガシィ。4代目モデルからの大変革は賛否両論が出たが、2010年にアイサイトが搭載され、人気は上昇した
2009年に登場した5代目レガシィ。4代目モデルからの大変革は賛否両論が出たが、2010年にアイサイトが搭載され、人気は上昇した

 5代目モデルでのレガシィの大変革に対し日本のレガシィファンはガッカリし、スバル以外に流れたユーザーも少なくなかった。しかし、5代目レガシィは計画通り北米では絶好調だったのに加え、日本でも登場翌年にアイサイトが加わったことでそれなりに売れ、スバルのファイナンスを潤した。

 そのおかげでちょっと時間は空いたものの、4代目レガシィの直接的な後継車となるレヴォーグが2014年に登場するなど、悪役のようにも見えるが、5代目レガシィが残した功績は長い目で見れば大きなものだった。

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