■第2位:台数は少ないが塗装が激ムズなイエロー
2番目に難しい色がイエローだ。理由は染まりにくい性質があるからで、紙に印刷する場合でも、黒色の上に黄色を塗ると黒黄色になるように、下色の影響を受けやすい。
鮮やかなイエローの色味を出すには、下色に白を入れることが多いが、この下色の塗装がキレイに出来ていないまま黄色を塗装すると必ず失敗する。
また、黄色は塗膜の厚さによって濃淡が大きく変わるため、染まりにくいからといって、厚塗りや塗料を濃くすることはできない。スイフトスポーツのチャンピオンイエローをはじめ、イエロー系のボディカラーは趣味性の高いクルマに用いられているが、それらは自動車メーカーのこだわりによって実現している。
■第1位:栄えある最難関ボディカラーはやっぱりあのレッド
そして鈑金職人が最も難しい色として挙げるのはマツダのイメージカラー「ソウルレッド」だ。鮮やかで深みがあり、角度によって濃淡が出るが、色つきクリアは塗り重ねる量で色が変化するため、隣接するボディとの色合わせが非常に難しい。
正面、左右方向では色味や濃淡が同じに見えても、上下方向からみると合わないことがあり、毎回一度の塗装で仕上がるかハラハラするとか。
実はこのソウルレッドは、現行マツダ車に採用されている「ソウルレッドクリスタルメタリック」と旧型に採用されていた「ソウルレッドプレミアムメタリック」の2種類あり、それぞれ専用塗料が必要というのも鈑金屋とっての泣き所。
マツダがこだわり抜いたボディカラーだが、鈑金職人にとってはフレンドリーではなさそうだ。
ここまでリペアが難しいボディカラーTOP5をピックアップしたが、鈑金職人曰く「総じて最近のクルマはすべて難しい」とのこと。塗装技術や設備は進化してきたが、それ以上にクルマのボディカラーが増え、塗装工程が複雑化しているというのがその理由だ。
高級車の鈑金修理だけが高くつくわけではないので、ちょっとした傷が思わぬ出費にならないよう、日頃の運転にはくれぐれも注意してほしい。
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