■清楚系のZとマッチョ系のスープラ!?
一方のスープラの超マッチョなデザインは、少なくとも日本では、あまりウケてはいない。それほど否定的な意見は聞かないが、「大好き!」という意見も聞かない。
盛り上がりすぎるほど盛り上がった筋肉は、まるでボディビルダーだ。フロントフェイスは、ヘッドライトの造形をはじめとして極めて複雑で、リオのカーニバルの化粧のよう。清楚か、さもなくば直線基調の兵器系を好む日本人の肌には、あまり合わないようだ。
もちろん、好みは人それぞれ千差万別であり、「どっちがセクシーか?」という問いに正解はないが、日本人には清楚系のZのほうが、奥の深いセクシーさがあると感じられるのではないだろうか。
Zのスタイリングは、復古調の王道であり、疑問も抱く余地はないが、スープラのデザインは、なぜあれほどマッチョになったのか?
もともと先代スープラ(80系)もマッチョだったので、それを進化させたということだろうが、海外では、マッチョ系を好む層が日本より多いのも確かだ。
日本では、スープラ人気はそれほどでもないが、販売の中心である北米では、好調に売れている。2022年1月~9月の販売台数を見れば、それがわかる。
●コンパクトスポーツカー部門
1位 ダッジ チャレンジャー 42,094台
2位 フォード マスタング 36,598台
3位 シボレー カマロ 19,177台
4位 トヨタ 86 9,691台
5位 マツダ MX-5ミアータ 4,572台
6位 トヨタ スープラ 3,855台
スープラの姉妹車であるBMW Z4は、1,203台で第10位。スープラの圧勝だ。ちなみにZは、まだ本格的なデリバリーが始まっておらず、わずか80台(12位)。今後大幅に増えることは確実だが、スープラを上回るかどうかは未知数だ。
北米では、ワイルドスピード第1作で主人公の愛車が先代スープラだったこともあり、スープラ人気はかなり高い。
ちなみに日本では、同じく今年1月~9月の販売台数は、GR86が11,336台でトップ。ロードスターが7,797台、スープラは大きく水を開けられ580台にとどまっている。
世界最大のスポーツカー市場は北米だ。スープラは、その北米で売ることを主眼に開発されている。Zもほぼ北米向けに作られているが、北米ではZよりむしろスープラのマッチョなデザインが「Oh! Sexy!」となるのかもしれない。
「セクシー」の定義は人それぞれだが、国によっても大きく異なるということですね。
【画像ギャラリー】クルマの「色気」とは何ぞや!? フェアレディZとGRスープラ あなたはどちらに色気を感じる!?(12枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方一昔前まで欧米では、レトロモダンは自信の無さの現れとして厳しく捉えられてきました。でも今は、売れるんです。
商売ですから売れるのが正義なうえ、新しいデザインに挑戦するより間違いなくやり易く、アンチもされにくい。まさに安パイであり正義。