■ほぼ弱点がないのが現行型WRX S4だった……
今回、試乗したのは現行型モデルの最上級グレード、STI Sport R EXで車両本体価格は482万9000円。自分が今乗っている先代型2.0GT-Sアイサイト(アプライドB型当時はトップグレードだった)は356万4000円だったことを思えば、かなり高くなっていることがわかる。
さて、まずはSGP(スバルグローバルプラットフォーム)+フルインナーフレーム構造を採用したボディだが、一般道で走り出した瞬間から先代型とはまったく違う剛性感が感じられた。2ピニオン式の電動パワーステアリングの感触も上々で、ハンドリングは文句なしの切れ味。
都内から首都高速に入り、中央道へ。ここで威力を発揮するのがアダプティブクルコンだ。先代型にもついているのだが、残念ながら最高速度設定が114km/hまでで、正直この速度域だと高速で追い越し車線を走るにはちょい厳しかった。
それが先代のアプライドD型から最高速度設定が135km/hまでとなり、もちろん現行型も同じ速度域となり、さらにいろいろな部分がブラッシュアップされている。このあたりのユーザーインターフェースはさすがの完成度。ううむ、欲しくなってきたぞ。
レヴォーグでおなじみの「走りの確変」も同様で、トランスミッションのスバルパフォーマンストランスミッションは先代のスポーツリニアトロニックを改良したものだが、CVTながらレスポンスがいいのは同様で、ドライブモードセレクト時のレスポンスはCVTじゃないような感覚。食わず嫌いな人は一度試してみる価値があると思う。
そして内装のクォリティ。基本的にはステーションワゴンのレヴォーグに準ずるデザインと質感になり、多少プラスチックを採用した部分は先代型より増えたものの、このクラス(C~Dセグメントの中間)のセダンとしてはかなり頑張っているほうだと思う。サイドが張り出したレカロシートのホールド性やサポート性、座り心地も抜かりなし。
ちなみに後部席の広さは現行型がやや広くなった印象。が、トランクスペースはVDA法で初代が460Lだったのに対し、現行型は422Lに減っている。ユーティリティ的にはさほど差はないのかもしれないけど、やや気になった点ではある。
中央道から河口湖方面まで足を伸ばし、ワインディングを走ってみたが、ここでもガッシリとした剛性感はさすがで、スタッドレスタイヤを履いていたこともあり、雪の残る山道でのブラインドコーナーも危なげなくクリアしてくれる。弱点がないな、ほとんど……。
唯一、あえて注文を付けたい点があるとすれば、それは「ここ一番!」という際にアクセルを踏み込んだ時のエンジンパワー。常用域でトルクフルなFA24ターボだけど、なんだか無理くり上の回転を抑えつけたような感じになっていて、このパンチ力については初代モデルが上回っているように感じた。まあ、もとがトルク型エンジンだからキレのあるパワー感の演出は苦手なのかもしれないんだけど。
で、結論。現行型WRX S4は改めて国産セダンのなかでは稀有な存在であることがクローズアップされた試乗で、買い換える価値はやはり充分にあると思わされた。ただ、愛車は車検を通したばかりなので2年後、かな(笑)。
【画像ギャラリー】先代WRX S4オーナーの編集部員が現行型WRX S4のSTI Sport R EXを徹底試乗!!(41枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方マニュアル仕様が無いのはがっかりです
高速で追越し車線を走り続けちゃだめよ。