「褒めすぎ」と思うならば、是非一度乗ってみてほしい
実際に、限られた試乗コースではあったが、筆者もプロトタイプのハイブリッド車(1.8Lエンジン仕様と2.0Lエンジン仕様)のハンドルを握らせていただいた。動き始めのステアリングの手ごたえ、直進安定性の正確さ、ブレーキングのやりやすさなどの所作が、先代から「一皮むけた」と感じた。比較試乗した先代プリウスで、微舵の曖昧さと戻りの遅れが気になるほどで、新型は確実に進化していた。新型プリウスは、Cセグメントのベーシックカーとして、ゴルフ8に近いほどの操縦安定性の完成度の高さを感じた。
インテリアに関しては、以前はインパネにあった電制シフターを、センターコンソールへと移動し、新型クラウンとも似た、小型のシフトノブ形状に変更。12.3インチの大型センターディスプレイは2.0L車に、8インチディスプレイは1.8L車へと、ランク違いでサイズは変わるが、見やすさは変わらない。ステアリングホイールの奥へと移動した7インチのTFTメーターは、表示項目が少ないため寂しさもあるが、視線移動も減るので有効だ。なにより、シンプルで清潔感のあるインテリアは、先代プリウスのインテリアが散らかって見えるほどに洗練されていた。
「褒めすぎだろ…」と思われるかもしれないが、実際乗ってみると、本当に良いクルマ感が半端なく出ていた。ぜひ実車を一度みて、触れてみていただきたい。この感想に共感してもらえるのではないだろうか。
新型プリウスが目指したのは上級車からのダウンサイザーが納得するデザインと走り
トヨタが、「マイカーとして愛されるプリウスを追求したい」として出来上がった新型プリウスは、間違いなく素晴らしい出来だ。このプリウスならば所有してみたいと思う人は多いと思う(筆者も含む)。この出来ならば、上級車や他社メーカーからダウンサイジングしてくる、デザインや走りにこだわる層も十分納得できるはずであり、これこそが、新型プリウスが「ハイブリッドの始祖」としての次に追い求めた姿だと理解できる。
ただ、これを市場が受け入れてくれるかは別。「マイカーとして愛されるクルマ」は、アクアのようなコンパクトカー、ノアやヴォクシーといったミドルミニバン、ハリアーのような多目的SUVであってもあてはまるフレーズであるし、新型プリウスよりも、広くて快適なクルマも、静かなクルマも、走りが良いクルマもトヨタにはある。はたしてコンセプトを一新した「プリウス」は、これまでの「プリウス」と同様に、ヒットを続けることができるのか!?? 今後が非常に楽しみだ。
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