■3000回以上も充放電可能なリン酸鉄リチウムイオン電池は燃えない?
日本勢はどうか? アウトランダーPHEVとリーフが1台ずつ全焼している。アウトランダーPHEVは水深6mまで沈んだ直後に引き上げたら炎上。リーフの場合、水没したクルマを2週間放置していたら燃えた。
どちらもバッテリーケースに中途半端な水が入ったためだ(全没すれば燃えない)。走行中や充電中の火災はゼロ。普通に使っているかぎりは燃えないと考えていいだろう。
そんななか、「燃えない電池」が出てきた。リン酸鉄リチウムイオン電池というタイプです。正極に安定しているリン酸鉄リチウムを使う。普通のリチウムイオンは「3元系」と呼ばれ、ニッケル、コバルト、マンガン。いずれも希少金属だし、熱暴走の可能性を持つ。加えてリン酸鉄リチウムイオン電池の充放電可能回数は3000~4000回。3元系の600~800回を圧倒する。
リン酸鉄リチウムイオン電池を採用したBYDや上海工場製のテスラモデル3、メルセデスなどは炎上事故が報告されていない。というか電池本体は燃えないと思う。火災を起こすとすれば、電池から先ながら、高性能のブレーカーさえつけておけば瞬時に電気をシャットダウンできる。リン酸鉄リチウムイオン電池を使ったクルマなら、テスラでも安心できるんじゃなかろうか。
ちなみに日本のメーカーもリン酸鉄リチウムイオン電池を採用する動きが出ている。中国で生産するトヨタbZ3Xはリン酸鉄リチウムイオン電池だし、ホンダも中国で販売する電気自動車に搭載するようだ。
長寿命で安全なリン酸鉄リチウムイオン電池は、いつ実用化するのかわからない全固体電池が普及するまで、電池自動車用電池の主役になると私は考えます。
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