■「デートカー」という言葉
1980年代後半から1990年代にかけて、セリカ、シルビアやプレリュードといったスペシャルティカーは「デートカー」と呼ばれ、人気を博していた。
デートカーの種類はその後変化を続け、高級輸入車やSUV(昔はクロカン四駆と呼んだ)などがその座を争ったが、今はもう「デートカー」という言葉すら使わなくなってしまった。
つまり、男女のお付き合いのシーンのなかで、クルマは重要なアイテムではなくなってしまったのだ。今、クルマがモテアイテムと思っているのは、弊誌4コママンガ『轟さん参上!!』で、セリカママのいるスナック(?)に出入りしている男たちくらいかもしれない。
嘆かわしい。実に嘆かわしい! 自動車メーカーは電動化や自動運転なんかにウツツを抜かしていないで、もう一度「デートカー」に本気で取り組んでほしい。
そういえば、この項の冒頭で記した「スペシャルティカー」という言葉も絶滅しちゃってますね。
■水抜き剤入れますか?
昔、ガソリンスタンドで店員さんに「レギュラー満タンで」なんて言うと、そこそこの確率で「水抜き剤入れますか?」と聞かれたものだ。
給油した時に水蒸気を含んだ外気がガソリンタンク内に入り、それが低温で結露になり、やがて水になる。その水が鉄製のガソリンタンクを腐食させ、また、ガソリンと一緒にエンジンに入り込んだ水は故障の原因にもなる。だから「水抜き剤入れますか?」ということになっていたわけだが、今は状況が違う。
最近のクルマは鉄製のガソリンタンクを使わず、ほとんどが錆びない樹脂製。樹脂製は結露も起きにくいから水の心配をしなくてよくなった。そもそもセルフスタンドが増えて、給油時に店員さんと話す機会も減ってしまっている。そんなこんなで「水抜き剤入れますか?」が絶滅危惧種になっているというわけだ。
とはいえ、古いクルマは鉄製のガソリンタンクを使っているし、用心するに越したことはない。なお、水抜き剤といっても手品のように水だけを抜くものではなく、本来混合しないガソリンと水をイソプロピルアルコールで混ぜ合わせ、一緒に燃焼させるというもの。今でもけっこう売ってます。
なので、レッドデータブックに記載するのは「水抜き剤入れますか?」というガソリンスタンド店員さんの言葉だけとなる。
■フロントグリル
電気自動車(EV)は、エンジンを冷やすために前から風を入れる必要がない。なので、フロントグリルは本来なくていい。
だが、グリルのないノッペリした顔はデザイン的にどうなのよ? という意識があるのか、EVになっても「デザインのためだけに」フロントグリルを残すメーカーは多く、BMWのEVはエンジン車と同じか、なんならもっと大きいフロントグリルが鎮座している。触ればわかるが、あれ、ただの板です。
しかし、今後は新たなEVデザインが広まりだして、フロントグリルのないクルマが増えていきそうだ。EVの普及とともにフロントグリルも絶滅の方向に向かっていく。
■女性仕様車
時代は急速に「ジェンダー平等社会」に向かっており、性別による偏見や差別をなくすべく動いている。となれば昔、時々見かけた「女性仕様車」というのもアウト。
特に、かわいらしい色やステッカー、アメニティ装備で固めたクルマはダブルプレー。「女はこういうのが好きなんだと勝手に思ってるだけ。偏見よ偏見よ偏見よ〜!」と炎上すること必至だ。そんな危ない橋は渡らないほうがよく、絶滅まっしぐら。
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