旅客機が作れず、ロケットも飛ばず、なにかと停滞が叫ばれる日本。しかし、こと自動車産業に目を向けてみると、世界でトップ争いを演じているような日本企業がたくさん存在する。日本がまだまだ捨てたもんじゃないということを再認識するために、そんな元気満点の会社をご紹介しよう!
文/ベストカーWeb編集部、写真/フコク、ビューテー(株)、住友電工、タツノ、ファナック、日本電産、村田製作所、Adobestock(トビラ画像=Stasique@Adobestock)
■ワイパーブレードで世界シェア1位:フコク
埼玉県上尾市に本拠を置く会社で、創業は1953年。自動車はもちろん、鉄道や船舶、航空機などありとあらゆるワイパーのブレードラバー(ゴム部分)を生産しており、そのシェアは日本国内で90%、世界では50%以上を誇る。
ガラスとの摩擦を低減するゴム表面の改質で独自の技術を持つほか、水の拭きスジが残らない加工法を編み出すなど、ワイパーシステムの性能を大きく向上させた立役者。欧州の自動車メーカーから「フコクのブレードラバーの採用で市場クレームが減少した」という評価を得るなど、いまやグローバルな名声を勝ち得ている。すごいぜフコク!
■門型洗車機の累計販売台数で世界1位:ビユーテー株式会社
日本で初めて、移動式ブラシ付き門型自動洗車機を開発したタケウチテクノ株式会社の販売会社として、1965年に誕生した老舗企業。愛知県名古屋市に本社がある。
2015年に創業50 周年を迎え、同時に門型洗車機累計販売台数が世界No.1に認定された。2016年には同社の移動式ブラシ付門型自動洗車機が、日本機械学会の「機械遺産」に認定されてもいる。
2000年に発表した洗車機でできるポリマーコーティング「FK-2システム」も業界に大きな衝撃を与え、現在でも「手軽に施工できるうえ効果もバツグン」と洗車機マニアの間でも評判が高い。
■自動車用ワイヤーハーネスで世界シェア1位:住友電工
車体内部に張り巡らされ、クルマの動脈ともいわれるワイヤーハーネスで世界シェア1位の会社。もちろん住友グループの中核企業であり、住友商事、NECと合わせて「住友新御三家」とも言われる。1897年に住友本店が買収した「日本製銅株式会社」が母体で、1920年に「住友電線製造所」として発足した。
正式には住友電気工業が社名で、本社は大阪市にある。陸上やバレーボールなど実業団スポーツにおいても活躍しているから、仕事走らないが名前は知っているという人は多いだろう。
自動車用ワイヤーハーネスのほか、切削に使うCBN工具や化合物半導体などでも世界第1位のシェアを誇り、近年は光ファイバーの分野でも存在感を示している。2030年には売上5兆円を目指すというが、同規模の自動車部品メーカーはデンソーとボッシュのみだけに、意欲的な挑戦といえる。
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